1985 Fiscal Year Annual Research Report
模擬降雨装置の開発と実効的土壌侵食実験方法に関する研究
Project/Area Number |
60860024
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
細山田 健三 宮崎大学, 農, 教授 (10040833)
|
Keywords | 降雨 / 降雨強度 / 土壌侵食 / 降雨エネルギー / 掃流力 / 表面流出 / 受食性 |
Research Abstract |
従来の非圧力式模擬降雨装置によると、自然降雨の落下速度を得るためには、7〜8m以上の落下高を必要とする。今回開発された圧力スプレー式模擬降雨装置は、水を貯えたリバーザにコンプレッサーで加圧し、電磁弁の開閉によって降雨管の下向きのノズルから圧力スプレーが断続的に発射される方式である。細山田、柿田の実験によると、ノズルをはなれる瞬間の初速は、加圧力、ノズルの大きさによって変化するが、自然降雨の雨滴に近い状態を保つには、加圧力は2kg/【cm^2】以下が適当であり、その場合、初速はノズルの径にもよるが、約3.5m/sであり、終速度を得るのに落下高を低くすることが可能であることがわかった。本装置の雨滴分布、降雨強度、落下終速度などの詳細な測定については、継続中である。藤原、南は、自然降雨の雨滴分布とその落下頻度については、降雨強度との関連において解析を進め、雨滴空間密度Noを用いて、降雨強度と雨滴径分布との関係式を求めた。すなわち、雨滴含水量M、雨滴平均直径D、k(標準偏差/平均直径)がそれぞれ降雨強度Rとの間に相関があるとしてNoの算定式を求め、雨滴径分布がガンマ分布に近似されることを観測値で検証した。日下は、表面流の掃流力と侵食過程の関連に重点をおき、リル侵食の生じる掃流力の限界条件の解析を試み、さらに流出条件等を導入することによって、降雨量から直接計算できる土壌流亡量推算式を提案した。翁長は、沖縄地方の降雨特性を調査し、年降雨量の年変動が大きく、また、大雨の再現期間とともに地域により違いが著しいことを見出した。さらに、雨滴の粒度分布から、降雨強度をもとにした降雨エネルギー式を導き、沖縄における値がWischmeier等の式と比較して、同じ降雨強度でも大きな値になることを見出し、沖縄の土壌の受食性と相まって、土壌侵食がおこり易い地域特性を確認した。
|
-
[Publications] Journal of Irrigation Engineering and Rural Planning. No.9. (1986)
-
[Publications] 農業土木学会論文集. No.120. (1985)
-
[Publications] 農業土木学会論文集. No.120. (1985)農業土木学会論文集.