1986 Fiscal Year Annual Research Report
軟骨培養細胞系を用いた副甲状腺ホルモンの生物学的検定法
Project/Area Number |
60870013
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
滝川 正春 阪大, 歯学部, 講師 (20112063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 栄二 大阪大学, 歯学部, 助手 (70171030)
高野 照子 大阪大学, 歯学部, 助手 (00127250)
鈴木 不二男 大阪大学, 歯学部, 教授 (40028717)
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Keywords | 軟骨培養細胞株 / 副甲状腺ホルモン / 生物学的検定法 / サイクリックAMP |
Research Abstract |
1.昭和60年度に樹立に成功したマウス肋軟骨成長軟骨由来の株細胞(MGC細胞と命名)は、細胞株の樹立に際し用いたRaus sarcoma virus(温度感受性株)に感染してトランスフォームしたものではないことが明らかとなった。すなわち、MGC細胞の培養温度をshift upさせても増殖能及び分化機能に特に変化はみられず、又、そのcell lysateの抗pp【60^(v~src)】による沈降物中にはチロシンキナーゼ活性が全くみられず、さらにRaus associate virus 1を感染させたニワトリ線維芽細胞と融合させても同細胞をトランスフォームさせるウィルスを産生しないことが明らかになった。従って本細胞はspontaneousに株化したものと考えられ、biohazardの問題を考慮に入れずに一般の研究室及び臨床検査室で使用できるという極めて重大な事実が判明した。 2.MGC細胞のconfluent cultureに副甲状腺ホルモン(PTH)を添加すると、細胞内サイクリックAMP(cAMP)レベルは急速に上昇し、2分後に約40倍のピークに達し、以後再び急速に低下した。この経時的変化はウサギ肋軟骨初代培養細胞の場合とほぼ一致した。又、そのdose-response curveもウサギ肋軟骨初代培養細胞の場合とほぼ一致し、【10^(_7)】Mで最大上昇を示した。なおウサギ肋軟骨細胞の場合継代4代目でPTH応答性は消失するが、MGC細胞は継代75代でもその応答性は全く低下しなかった。従って、PTH応答性を示す細胞を無限に又、手軽に増殖させることが可能となった。 3.MGC細胞のオルニチン脱炭酸酵素活性は、ウサギ肋軟骨細胞の場合とは異り、PTHにより変化しなかった。しかしながら、MGC細胞のグリコサミノグリカン合成能及びアルカリフォスファターゼ活性は高く、その由来に関しては誤りはないと考えられるので、本細胞は株化の過程で何らかの変異をおこしたものと考えられる。従って今後はcAMPレベル上昇作用に絞って研究を進めたい。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Fukuo;M.Takigawa;K.Tajima;M.Enomoto;F.Suzuki: J.Biochem.99. 385-396 (1986)
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[Publications] M.Takigawa;K.Tajima;K.Fukuo;H.Fujiki;F.Suzuki: J.Biochem.101. 397-404 (1987)
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[Publications] T.Takano;M.Takigawa;E.Shirai;K.Nakagawa;M.Sakuda;F.Suzuki: J.Dent.Res.(1987)