1986 Fiscal Year Annual Research Report
高分子物質の超微量測定法-"免疫酵素的サイクリング"-の開発と実用化
Project/Area Number |
60870014
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 尚彦 東大, 医学部, 助教授 (80010023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 榮治 宮崎医科大学, 教授 (40029939)
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Keywords | 超微量定量 / 高分子量物質 / 酵素免疫測定法 / 酵素的サイクリング |
Research Abstract |
ウマのフェリチン(分子量50万)を高分子量物質のモデルとして用い、その抗体を物理的に吸着させた直径100μmのガラスビーズを固相として、次の超微量測定法を完成した(詳しい手法は昨年度の報告書参照)。 1)ガラスビーズ集塊290nl(ビーズ240個、ビーズ間隙37nl)に、1〜15×【10^(-19)】molのフェリチンを含む54nlの憐酸緩衝液を加えて、37℃で1時間反応させた。フェリチンが結合したビーズを、6.2μlの憐酸緩衝液で洗い、290nlのフェリチン抗体Fab´とβ-ガラクトシダーゼの複合体溶液を加え、38℃16〜20時間反応して、ガラクトシダーゼをガラスビーズに結合させた。3.2μlのメチルウンベリフェリルガラクトシド溶液と加え、38℃で1時間反応させて、メチルウンベリフェロンとガラクトースを、水解放出させた。全混合液を1.0mlのグリシン緩衝液に加え、メチルウンベリフェロンを螢光測定した。最高感度は1.25×【10^(-19)】mol(フェリチン分子2,000個)であった。 2)1〜5.5×【10^(-19)】molのフェリチンを、1)と同じ方法でビーズに結合させて、O-ニトロフェニルガラクトシド溶液440nl中で反応させた。放出されたガラクトースを、3.2μlのガラクトース脱水素酵素と過剰の【NAD^+】を含む反応液中で、NADHに転換した。このNADHを、既に開発したNADサイクリングを用いて、1,900倍に増幅して測定した。最高感度は0.74×【10^(-19)】mol(フェリチン分子1,200個)であった。 3)1〜10×【10^(-21)】molのフェリチン溶液2.6nl,2.9μlの洗滌緩衝液、15nlのFab´-ガラクトシダーゼおよびO-ニトロフェニルガラクトシド溶液;15nlのガラクトース脱水素酵素反応液を用い、2)と同様にガラクトースをNADHに転換した。このNADHをNADサイクリングを2回連続して行い(二重サイクリング)、11万倍に増幅した。最高感度は5.7×【10^(-22)】mol(フェリチン分子10個)であった。
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[Publications] Takahiko Kato: Neurochemical Research. (1987)
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[Publications] Takahiko Kato: Cell Structure and Function. 11. 387 (1986)
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[Publications] Yoshiya L.Murashima: Journal of Neurochemistry. 46. 166-172 (1986)
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[Publications] 加藤尚彦: 病態生理. 5. 803-808 (1986)
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[Publications] 加藤尚彦: Clinical Neuroscience. 4. 1210-1215 (1986)
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[Publications] Koichiro Tanaka: Analytical Letters. 19. 433-444 (1986)