1985 Fiscal Year Annual Research Report
疾患感受性を規定するHLA-D領域遺伝子と遺伝子産物の検出法の開発
Project/Area Number |
60870017
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
片桐 一 旭川医科大学, 医, 教授 (10041823)
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Keywords | HLA抗原 / クラス【II】抗原 / クラス【II】遺伝子 / 酵素抗体法 |
Research Abstract |
或る種の自己免疫の発症には、HLA-D領域の遺伝子産物が重要な影響を与えており、そして発症素因の一つをなしている。HLA-D領域の遺伝子産物としては、DR、DRw52・53、DQ及びDPの4種類の抗原系が明らかにされている。これらの抗原系のうち、DR、DRw52・53及びDQは、それらの抗原特異性が互いに強い相関関係を有しているため、これらの抗原の識別にはラジオ・イムノアッセイが用いられている。又これらをコードする遺伝子DNAの解析は、放射性同位元素標識CDNAを用いてすすめられている。これらの放射性同位元素を用いた検出法の利用には諸種の制限がある。我々の用いているD領域の遺伝子と遺伝子産物の解析を広く臨床病理へ応用するためにラジオ・イムノアッセイにかわる酵素抗体法を用いたアッセイ系を開発することを目的として研究をすすめ以下の諸点が明らかになった。 1.ソリッドフェイス法を用いた酵素抗体法によりHLA-D領域遺伝子産物を検出するために、HLA-DRホモ接合体培養B淋巴球の膜性成分から各種界面活性剤(DOC,NP-40,Renex-30,Briji58)又はパパインを用いて抗原を可溶化し、部分精製可溶化抗原材料を用意した。 2.DOC及びパパイン可溶化抗原材料をpH9.5炭酸バッファーを用いてマイクロプレートに付着させ、その付着性及び抗原活性を検討すると、DOC可溶化材料では付着性並びに抗原活性が充分保たれていた。しかしパパイン可溶化材料では、抗原活性の不安定性が認められた。 3.DOC可溶化抗原付着プレートを用いて、抗HLAクラス【II】単クローン抗体との反応性をペルオキシダーゼ標識抗マウス1g抗体及び基質で検討すると再現性のある反応が認められた。さらにこの反応系の阻止反応による抗原の検出を検討している。 4.以上の2及び3の反応系の検討には、備品として購入したマイクロプレート用全自動吸光光度計が活用されている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 移植. 20-2. (1985)
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[Publications] 北海道医学雑誌. 61-2. (1986)
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[Publications] J.Immunol.136-6. (1986)