1986 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子プローブ並びにモノクローン抗体による脳障害の診断法に関する研究
Project/Area Number |
60870032
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
塚田 裕三 慶応大, 医学部, 教授 (00050956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤城 正敏 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (40173421)
長池 一博 三菱化成総合研究所, 主任研究員
高松 研 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (90154898)
高坂 新一 慶応義塾大学, 医学部, 助教授 (50112686)
御子柴 克彦 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (30051840)
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Keywords | CNP(2'3'syclic nucleotide 3'-phospho diesterase) / GFA(Glially fibrillary Acidic Protein) / FIA(Fluoro immuno Assay) / 実験的脳損傷ラット |
Research Abstract |
モノクローン抗体による脳障害の診断法に関して、昨年度作製したCNP抗体をはじめBP,GFAP,S-100等を用いて脳背髄液中及び脳組織中の抗原蛋白のFluoro Immuno assayによる定量法の開発を行った。96穴マルチプレートに一次抗体をコートし、その後、サンプルを37゜C1時間反応させた。プレートをコーディングに用いた抗体と異なる種の一次抗体と37゜C1時間反応させ抗原を抗体により狭み込んだ。洗浄後Europium標識2次抗体と反応させ、抗原に間接的に結合したEuropiumをTritonx-100,EGTAで溶出した。溶出したEuropiumを励起汲長350nm,測定汲長620nmで測定した。実験的脳損傷ラットを作製し、継時的に脳背髄液中のCNP量を測定したところ損傷後1週間をピークにして脳背髄液中のCNPの増加が認められた。またBP量を本法により測定したが、検出できなかった。一方、損傷部位周辺の組織中のGFA量を測定したところ一過性のGFA量の増加を見た。この増加は免疫組織化学染色にて、反応性アストロサイトの出現と一致しており、損傷によりアストロサイト内のGFAの産生が亢進することが示された。脳腫瘍の診断法に関しては、膠細胞由来の腫瘍に関してGFA,S-100,BP,CNP等の発現と腫瘍組織系、臨床的悪性度との関連を追求したが今のところ明確な対応関係は認められていない。また、エチルニトロソウレアにより実験的脳腫瘍をラットに誘発し、腫瘍組織形と発癌遺伝子の発現との関連を追求したところ、maligrant neurinoma,malignant astroytomaに抗EGF-R抗体と免疫交叉すふがEGF結合能を有さない膜タンパクの発現を認めた。そこでこのタンパクの化学的性質の検討を進めており、診断への利用の可能性についても検討している。
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[Publications] Fujishiro et.al: J.of Newrocheuistry. 47. 191-195 (1986)
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[Publications] Takamiya et.al.: Blain Research. 383. 305-309 (1986)
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[Publications] 高坂,他: 神経研究の進歩. (1987)