1986 Fiscal Year Annual Research Report
臨床利用のためのフッ素-18アニオン製造ターゲットと標識試薬変換装置の試作
Project/Area Number |
60870037
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小嶋 正治 九大, 薬学部, 教授 (90037565)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 稔 九州大学, 薬学部, 助教授 (70101178)
吉村 厚 九州大学, アイソトープ総合センター・病院地区実験室, 助教授 (50013371)
|
Keywords | フッ素-18 / ターゲットボックス / フッ素アニオン / 標識試薬 / 求核置換反応 / 酸素-18 / 陽子 / サイクロトロン |
Research Abstract |
サイクロトロン室内での手動注入取出し方式による【^(18)O】(p,n)【^(18)F】ターゲットを用いて、昨年度に引き続き【^(18)F】製造評価を行った。ターゲットはチタンをフォイルとして、ターゲット容積2.5cc、移送系パイプ等のデッド容積0.5ccから成り、照射後得られる【^(18)F】/【H_2】Oの量としては3cc程度である。8%【H_2】【^(18)O】をターゲット水として15μΑ×20分の照射、2時間減衰後10〜12mCiの【^(18)F】が定常的に製造される。照射後【^(18)F】/【H_2】Oに含まれる安定同位体【^(19)F】の量は、ターゲットに装着しているO-リングを従来のバイトンからニトリルリングに置きかえることで、0.1〜0.2ppmのオーダまで減少させることができた。【^(18)F】アニオン標識試薬調製時に使用する容器材質としてPyrex,Vacutainer,TPX,シリコン塗付Pyrexを選択し、【^(18)F】の有機溶媒への溶解性や容器壁への吸着の観点から検討した。その中で、TPX材質が【^(18)F】取扱上最も優れ、次いでシリコン塗付Pyrexが良好な結果を与えた。この2種の材質から成るミニバイヤルを使用して、アルゴン雰囲気下水の除去及び有機溶媒との共沸乾燥が行える【^(18)F】標識試薬加熱装置を組み立てた。この加熱装置は、従来の手操作による作業よりも半分の時間内に終了し、作業者は操作中常に監視する必要がない。一方、マイクロエバポレーターを用いた凍結乾燥法による試薬調製は、比較的長時間を要することから実用的ではなかった。このようにして得られる【^(18)F】アニオン標識試薬(Cs【^(18)F】や【Bu_4】N【^(18)F】)を用いて、モデル化合物としての芳香族ジメチルスルホニウム塩との求核置換反応を行った。DMSOやアセトニトリルを溶媒として100℃、10分加熱することにより、ニトロ基で活性化されたスルホニウム基は50%以上の【^(18)F】と置換できることを見い出した。次年度はこれらの成果を生かして、【^(18)F】アニオンによる2-フルオロ-2-デオキシ-D-グルコース(FDG)の担体無添加標識合成を完成させる予定である。
|
-
[Publications] M.Maeda: Chem.Pharm.Bull.33. 1301-1303 (1985)
-
[Publications] M.Maeda: J.Label.Compds.Radiopharm.23. 1104-1105 (1986)
-
[Publications] M.Maeda: Radiat.Isot.(Int.J.Radiat.Appl.Instrum.Part A). 38. (1987)