1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60870057
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
阿曾 佳郎 浜松医科大学, 医, 教授 (00009961)
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Keywords | 原発性副甲状腺機能亢進症 / 局在診断 / 副甲状腺腺腫 / 超音波断層法 |
Research Abstract |
1.術前術中副甲状腺腫瘍局在診断用超音波プローブの開発: AlokaエコーカメラSSD-125【◯!R】に装着可能な周波数7.5MHz、メカニカルセクタ走査方式のプローブを2種類開発した。1つは接触面積1.8×5.2cmでスキャナ先端に水パックを装着したプローブである。もう1つは、接触面積1.3×4.6cm、皮膚との接触面が凸形となっており、スキャナ先端は合成樹脂でできたプローブである。両者とも術前局在診断に用い、接触面積の小さなプローブは術中用も兼ねた。穿刺装置は、接触面積の大きいプローブに装着でき、14ゲイジから22ゲイジまで使用可能とした。 2.臨床応用: 原発性副甲状腺機能亢進症、慢性腎不全、尿路結石症を対象に副甲状腺腫瘍の検索を行った。慢性腎不全、尿路結石症では副甲状腺の手術の対象になった症例がなく、副甲状腺腫瘍の局在診断の検討はできなかった。原発性副甲状腺機能亢進症は2例あり、症例1は甲状腺左葉中央部で甲状腺内に700mgの腺腫があった。症例2は甲状腺左葉下極に接し500mgの腺腫が存在した。2例とも新たに開発した装置(7.5MHz)で局在診断が可能であり、甲状腺との位置関係も明瞭にとらえられた。新たに開発した2つのプローブを併用して検査を行ったが、解像力には差がみられなかった。操作性は接触面積の小さなプローブの方がやや優れていた。従来の超音波診断装置である横河RP2000リニア電子走査装置5MHz【◯!R】でも局在診断は可能であったが、新たに開発した装置(7.5MHz)の方が像が明瞭であった。CTでは2例中1例(症例2)の局在診断ができなかった。副甲状腺シンチグラフィーでは2例とも局在診断が可能であったが、腫瘍と甲状腺との詳細な位置関係については超音波断層法が優れていた。術中超音波断層法、穿刺装置の利用については今後検討する予定である。
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