1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60870058
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
前田 一雄 鳥取大学, 医, 教授 (80031946)
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Keywords | 胎動 / 胎動図 / 胎動スパイク / 胎動バースト / 瞬時胎動数 / コンピュータ解析 / 超音波ドプラ胎動計 |
Research Abstract |
胎動は胎児の生存状態を示す一指標であるが、最近では各種の方法で胎動の検出が行われ、胎児の健康の指標として胎動が注目されている。われわれは前田の考案した、長時間客観的に胎動および胎児心拍数を同時に記録できる、超音波ドプラ胎動計(TOITSU MT-320)でえられた胎動記録を、コンピュータによって解析する方法を試みた。 コンピュータ解析に先立ち、マニユアル計測し解析を行った。胎動図上にスパイク状波形として記録される胎動のうち、胎児体幹の回転運動を中心とした粗動運動は比較的高いスパイクの集合として記録される。これを胎動バーストとし,その発生間隔時間(【I】秒)を計測しヒストグラムを作成した。妊娠36週以降で、【I】のピークが15〜20秒にみられた。さらに各症例において、瞬時胎動バースト数60/【I】(【I】分)を経時的に曲線として記録すると、胎動バーストの発生状況が明らかとなった。子宮内胎児発育遅延例では、【I】や瞬時胎動バースト数曲線に異常を認めるものがあり、潜在性胎児仮死における胎動減少を、客観的に表示することができた。 コンピュータ解析は,MT-320でえられた胎動、心拍、陣痛の各信号を胎動収録装置(TOIISU MF-7100)でAD変換後にフロッピーディスクに収録し、専用のプログラムでコンピュータ解析した。解析結果として、心拍数曲線、陣痛曲線、胎動スパイク、瞬時胎動数曲線、胎動バースト、瞬時胎動バースト数曲線、瞬時胎動ヒストグラムの各指標を15分ごとに表示することが可能となった。今後さらに、短時間で正確に解析可能であるコンピュータの特長を生かし次年度には多数の症例について解析を行い、詳細に胎動発生状況を解明する予定である。今後の研究によって、胎動行動学の方面から、胎児診断、周産期管理に貢献したい。
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Research Products
(2 results)