1985 Fiscal Year Annual Research Report
網膜微小循環に関するテレビ画像撮影法の試作研究と新しいソフトウェア開発の研究
Project/Area Number |
60870061
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松尾 信彦 岡山大学, 医, 教授 (40033047)
|
Keywords | 網膜微小循環 / 螢光眼底テレビ撮影 / 画像解析 / 色素希釈法 |
Research Abstract |
1.網膜微小循環テレビ画像撮影システムの試作開発に関する研究 (1)照明法と高感度テレビカメラの改造に関する研究:光源としては既存の眼底カメラ(TRC-50VT、東京光学機械)の螢光観察用光源を使用した。SIT管内臓の超高感度テレビカメラとして東京電子工業のVC7000を使用し、下記アダプターによって螢光眼底撮影装置(TRC-50VT)に接続した。 (2)アダプターに関する研究:撮影倍率は眼底カメラの画角20に準ずるものと決定した。テレビカメラと螢光眼底撮影装置の接続アダプターとしては1管式1インチ用TVリレーレンズ(東京光学機械)を使用した。 2.網膜微小循環の定量的解析に関するソフトウエア開発の研究 各時刻の螢光眼底VTR画像を、ビデオインターフェイスを通して汎用画像処理解析装置にとりこませた。1眼には耳上、耳下、鼻下、鼻上の4対の網膜動静脈が存在するが、各時刻にこれらを通る螢光色素の螢光強度を画像処理解析装置により解析した。このさい、超高感度テレビカメラ部とVTR部における階調特性の補正に留意した。1本の血管の螢光強度の経時的変化を、最小2乗法により最適のlog-normal分布関数に回帰せしめ、この関数の係数より、腕網膜平均循環時間を求めた(フルオレサイン色素希釈法の改良)。1象限の対応する動脈と静脈の腕網膜平均循環時間の差をその象限の網膜平均循環時間とした。 3.結果 螢光眼底撮影時に、画角を20°とし視神経乳頭を中心とすると、解析に耐えるVTR画像を記録することができた。網膜平均循環時間の平均値は正常で4.0秒、糖尿病性網膜症で5.5秒、網膜静脈分枝閉塞症で13秒であった。現在詳細な分析が進められている。
|