1985 Fiscal Year Annual Research Report
レーザ・マニプレーターを組込んだ細胞工学用顕微鏡の開発
Project/Area Number |
60870064
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
山本 肇 東京医科歯科大学, 歯, 教授 (60005014)
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Keywords | レーザ / マイクロマニプレーター / 細胞工学 / 培養細胞 |
Research Abstract |
研究実施計画 1. 恒温槽付きの培養倒立顕微鏡((株)日本光学製)に、ヘリウムネオンレーザ発振装置((株)日本電気製)からのレーザ光を導光し、培養細胞に照準・照射できるように設計・試作する。 2. 試作したレーザ・マニプレーターを組込んだ細胞工学用顕微鏡を用いて、ヒト悪性黒色腫培養細胞(HMV-【I】,【II】)に試験照射する。 3. レーザ被照射細胞を形態学的・機能的に検索し、レーザの細胞学的効果を検討し、あわせて試作機の改良点を検討する。 研究成果 1. レーザ光を培養顕微鏡に導光する方法は、レーザビームを落射照明する方式とし、対物レンズによって培養皿の焦点位置にレーザを集光してマイクロ・ビームを得るように設計・試作した。試作機は、特に以下の機能を具備している。レーザ光による網膜損傷の安全対策として照射時には観察光路が遮断されること。被照射培養細胞へのレーザ・マイクロ・ビームの照準は、TVモニター上で行うようにし、画面上で経時的観察もできること。レーザの照射時間を設定できること。被照射部でのレーザ・パワー・エネルギーを測定できること。 2. 黒色腫培養細胞の色素形成能と多核細胞化(細胞融合)を指標として、レーザの細胞工学的効果をみると、色素の脱落や多核細胞が得られることがあるが、未だ再現性に乏しい。 今後の研究方針 現在の導光系では、レーザの発振線源が一つに限定されてしまうので、複数の発振線源からの異なるレーザ光(特に、アルゴンイオンレーザ)を選択・変換できる導光系を開発する。また、培養細胞の微小細胞外科的処置や形質変換を得るレーザ照射条件を明らかにし、レーザの細胞工学的応用技術の基礎を確立する。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] The Journal of Dental Engineering. (1986)
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[Publications] 口腔病学会雑誌. 53-1. (1986)
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[Publications] 第75回日本病理学会総会抄録集. (1986)
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[Publications] レーザー研究. (1986)