1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60870065
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
赤井 三千男 大阪大学, 歯, 教授 (20028715)
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Keywords | 燐酸カルシウム結晶 / 顕微鏡観察装置 / 透過膜 |
Research Abstract |
本年度は主として装置の試作と透過膜の選択、環流液の処方と濃度環流速度と環流時間について検討した。 1)装置の試作 反応室はマクロ観察用(40倍まで)とミクロ観察用(40〜400倍)の2種類をつくることとし、まずマクロ観察用反応室を試作した。材質は透明プラスチックとゴム板を使用したが、長時間使用すると変形が甚しく、次回使用時に隙間を生じ、水漏れの原因となった。ボルトの位置を変えて水漏れをある程度防ぐことができた。ミクロ観察用反応室には金属を使うことにし、その材質について、加工の難易、気密性の問題などを目下検討中である。 2)透過膜の選択 イオン透過膜と半透膜についてしらべた。イオン透過膜は透過するイオンの選択性に優れているが、厚さと光の透過性(支持膜が偏光性をもっていることや着色している点)に難点があり、顕微鏡下で観察するには適していない。現在主として半透膜を使い、種々の高分子透過膜について検討中である。 3)環流液について Ca溶液としてCa【Cl_2】,P【O_4】溶液として燐酸バッフアーを用いたがPHの変動が大きいため、トリス-HClおよびカコヂール酸バッファーを用いCaをP【O_4】については数種の化合物について検討した。バッファーを用いた場合反応室内の沈殿は少ないが、環流液のPHは安定している。濃度は高いほど沈殿の量が多い。 4)環流の速度と時間 環流速度と沈殿の生成の間には相関はない。環流時間は5〜6利間経つと半透膜全面に沈殿が付着して、膜のイオン戸過性が悪くなり、反応室内の沈殿量は増加しなくなる。1週間環流してみたが、1日後のものと大差がなかった。 生じた沈殿を偏光顕微鏡でみたが大部分のものは偏光性がなく、結晶化は進んでいなかった。長時間環流したものでは膜に付着したりボン状または立方形の結晶(偏光性あり)がみられたが、数は少ない。
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