1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60870065
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
赤井 三千男 阪大, 歯学部, 教授 (20028715)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 正之 大阪大学, 歯学部歯科理工学講座, 講師 (30107073)
高野 吉郎 大阪大学, 歯学部・口腔解剖学第一講座, 助教授 (90126425)
|
Keywords | コラーゲンゲル / コンドロイチン硫酸 / 水酸化アパタイト結晶形成 |
Research Abstract |
今年度は主としてコラーゲンの水酸化アパタイト結晶形成に対する影響をしらべた。 1.ミクロ観察用装置の改良試作:ステンレススチール板を用いた反応室と環流室からできた偏光顕微鏡観察装置を作成した。これにより20倍から400倍の倍率の下で反応室を観察できるようになったが、コラーゲンゲルに結晶が沈着し始めると白濁するため、ゲルの内部が見えなくなる。 2.透過膜と環流液:前年度の研究結果から、透過膜はスペクトラ1(Spectrum Madical Ind. Co.)がもっとも適しており、環流液は0.3Mの塩化カルシウムおよび第二燐酸ソーダをそれぞれ0.1Mトリス-塩酸緩衝液に溶かし、これに0.05M塩化ナトリウムと抗生物質を加えたものを用いた。 3.コンドロイチン硫酸内での結晶形成:2%コンドロイチン硫酸Aを反応室に入れ、上記環液液で7〜14日間環液した。コンドロイチン硫酸はゲル化しなかったが、反応室内に板状結晶や放射状に配列する小さな針状結晶がみられた。しかしその数は少なかった。X線回折によるとこれらは水酸化アパタイトであることがわかった。結晶の大きさは小さい。 4.コラーゲンゲル内での結晶形成:精製されたコラーゲンは市販されていなかったので、Call matrix (新田ゼラチンK.K.、生物化学研究所)を用いた。コラーゲンのI-A、I-P、【II】、【III】、【IV】型を反応室内に入れ、上記環流液を7日間環流した。Cell matrixは2〜3分でゲル化し、次第に不透明となり、白濁した。そのため環流中に直接顕微鏡下で観察できないので、パラホルムアルデヒド固定した後、薄切して顕微鏡で観察した。複屈折性の針状結晶がゲル中に散在し、ところどころにこれらの針状結晶が長く伸びて放射状に配列し、大きな球状塊となっていた。X線回析ではC軸よりもa軸方向によく成長した水酸化アパタイトであることが示された。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 赤井三千男,高野吉郎,松尾三郎,脇坂聡,市川博之,西川真二,岡崎正之: 歯科基礎医学会雑誌. 28-S. 262 (1986)
-
[Publications] Akai,Michio;Takano Yoshiro;Okazaki Masayuki: Journal of Osaka University Dental School. 27. (1987)
-
[Publications] Akai Michio;Takano Yoshiro;Okazaki Masayuki: Journal of Osaka University Dental School. 27. (1987)