1985 Fiscal Year Annual Research Report
酵素抗体法を利用した歯周病原因子に対する人特異抗体の検索
Project/Area Number |
60870067
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉村 文信 北海道大学, 歯, 助手 (50001962)
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Keywords | 歯周病原細菌 / Bacteroides gingivalis / 線毛 / 抗体 / 酵素抗体法 / ウエスタンブロット |
Research Abstract |
B.gingivalis381株より精製した線毛を抗原として成人歯周炎患者(AP)約30人及び、少数ではあるが若年性歯周炎患者(JP)血清中から特異抗体をスクリーニングしている。本菌は血清学的に均一な菌種と考えられ、近縁なBacteroidesとも血清学的に区別されると報告されている。すなわち、本菌の線毛は特異抗原としてB.gingivalisに対する免疫応答の実態をさぐる貴重な精製蛋白質と考えられる。事実、ウサギから調製した抗線毛血清を使用して、近縁のBacteroides及び多数のB,gingivalis株をスクリーニングしたところ菌種特異的であると共に、半数以上のB.gingivalis株が線毛を保有していることが判明しつつある。こうした観察結果から、本線毛を抗原として、患者血清もしくはポケット滲出液中の抗体価を組織的、かつ体系的に検索する必要性はさらに大きくなっている。現在進めている研究は、このための基礎的な条件整備と位置づけている。上記患者血清の50%から線毛に対する高い特異抗体(IgG)が検出された。線毛を部分的に解離させて、構成蛋白質のモノマー、ダイマー、オリゴマーの混合物としたのち、電気泳動をおこない、その後、ゲル上の蛋白質をニトロセルロース膜へ転写(ウエスタンブロット法)したのち、酵素抗体法を利用して線毛に反応する抗体の有無を検討した。反応は特異的で、正常人血清又は三年以上、B.gingivalisを取扱っている者の血清には、抗線毛抗体は、検出できなかった。本菌の粗抽出液を同様に電気泳動にかけ、線毛以外では、どのような蛋白質成分に対する抗体が存在するのか、検討中である。
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Research Products
(2 results)