1985 Fiscal Year Annual Research Report
コルポスコピーの改良と生体染色法の口腔癌診断への応用
Project/Area Number |
60870072
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石田 武 大阪大学, 歯, 助教授 (50028768)
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Keywords | 口腔癌 / 生体観察 / 毛細血管増生能 / Angiogenic activity / コルポスコピー |
Research Abstract |
口腔粘膜癌の診断精度をたかめ、できるだけ無駄なバイオプシーを省くことを目的として、近年子宮頚癌の早期診断に積極的に利用されている膣拡大鏡(コルポスコピー)を口腔用に改良する(オーラルマイクロスコピー)ことを主な目的として本研究を行っている。初年度の研究は、とくに装置の改良試作で、口腔粘膜観察用に適した鏡筒角度にすること、レンズの倍率と焦点深度を検討すること、写真撮影の安定化のために粘膜面に固定できるようにすることなどであった。スコープの鏡筒角度を尖端式から側方、下方式に換え、倍率は観察範囲と拡大率の関係から中間的なところをとって30倍とした。またスコープを光源として明るい内視鏡用装置に接続し粘膜下の深部まで観察できるようにした。さらに、粘膜面への固定は、ストップピン4本をレンズ周囲にとりつけ動きを少なくした。さらに鏡筒の一部を支えるアームが自由な角度に動かせるように工夫した。現在、本装置を利用して、白板症、上皮内癌、扁平苔鮮、口腔粘膜の炎症、正常な口腔粘膜などの毛細血管分布の写真を試験的に撮影しつつある。炎症の場合も毛細血管の増生が認められるが、白板症や上皮内癌で、上皮異型性の強いと思われる部位ほど毛細血管の増生能が高いようである。今後、数多くの症例を集め、毛細血管の分布密度、そのパターンと病理組織像との相関性を詳しく検討する。 一方、歯学部付属病院における病理組織検査で、口腔粘膜癌、上皮内癌、白板症などの症例の臨床データならびに組織所見について、今後の本研究に役立てるためのコンピュータ入力を続けており、現在約600例の入力を終えている。
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