1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60870085
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
遠藤 浩良 帝京大学, 薬, 教授 (50012604)
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Keywords | 骨粗鬆症 / 骨吸収 / 石灰化 / コンドロイチン硫酸 / 組織培養 |
Research Abstract |
研究代表者及び研究分担者は、基礎から応用の両面にわたる役割分担にしたがって研究を行い、昭和60年度は以下のような進展をみた。 1. 基礎的側面 (1) 生理的因子による骨石灰化促進:これまでに研究代表者らは、未分化ニワトリ胚大腿骨をin vitroに培養する実験系で、骨石灰化にはPTH,1.25-【(OH)_2】【D_3】及び24,25-【(OH)_2】【D_3】の三者の共存が必須であることを示してきたが、この際に培養液成分の一つとしてニワトリ胚浸出液(CEE)が不可欠であった。このCEEを規格化するため種々の検討を行ったところ、その調製法により実験結果が異なることが判明し、上記三つのホルモン、ビタミンの他に、CEE中に含まれるきわめて不安定な未同定の生理的因子が骨石灰化に関与する可能性が強く示唆された。 (2) 骨吸収作用評価実験系:【^(45)Ca】の母体投与でラット殆仔長管骨あるいは新生仔マウス頭頂骨をprelabelして用いる従来の方法には実験手技上の難点が多い。そこで、孵卵11日前後のニワトリ胚大腿骨をとり出してin vitroに【^(45)Ca】でprelabelし、これをchase cultureしたとき培養液に放出される【^(45)Ca】の放射能量を骨吸収活性とし、これに対する被検物質の効果を比較する方法を確立した。技術的には、これで設備、経費面ではるかに楽に、しかも短時間で容易に骨粗鬆症治療薬候補となる骨吸収抑制作用物質を探索することが可能となった。 2.応用的側面 酸性ムコ多糖カルシウム塩による骨石灰化促進:【I】-1に前述したようなホルモン,ビタミンに加えて未同定生体成分まで含むのではなく、既知成分だけからなる完全合成培養液を用いて未分化ニワトリ胚大腿骨を培養する実験系で、人工的酸性ムコ多糖(デキストラン硫酸など)カルシウム塩は駄目であるが、天然型コンドロイチン硫酸のカルシウム塩は石灰化促進物質として有望であることが確かめられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 山根績,遠藤浩良編: "最新組織培養応用研究法-In vitroアッセイと有用物質生産-" ソフトサイエンス社, (1985)
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[Publications] 遠藤浩良 監修: "実験医学のための動物培養細胞利用集成" R &Dプランニング社, (1985)