1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60870092
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福田 英臣 東京大学, 薬, 教授 (50080172)
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Keywords | 痙縮 / 痙性麻痺 / 固縮 / クロルプロマジン / バクロフェン |
Research Abstract |
筋弛緩薬の薬効評価および研究のためには、筋緊張が亢進した状態で薬物を投与することが必要である。そのための実験モデルとして、古くから、脳の上丘-下丘間を切断した除脳固縮モデルが、ネコやイヌなどで用いられてきた。我々はこれをラットに応用して用いてきたが、この方法は、直接脳を切断するため、出血がひどく、成幼率が低く、確実な除脳固縮作製法が求められていた。Lesion generatorは、高周波電流により脳組織を無出血で破壊できる装置で、これを用いて上丘-下丘間に相当する部位を破壊し、除脳固縮を発現させることを試み、成功した。 〔実験方法〕Wistar系雄性ラット(320-380g)をエーテル麻酔し、脳定位固定装置に固定し、Lesion generator(Radionics,RFG-4)の電極(φ0.7mm)を脳幹部(AP:0,L:±1.5,V:-3.0,Pellegrinoらの脳地図)に刺入した。電極先端の温度を80±5°Cに保ちながら、180秒間約25mAの高周波電流を与え、上丘-下丘間の脳幹切断部位に相当する部位を破壊した。ラットを腹位に固定し、両後肢をankle jointで不動化する。strain gaugeを貼ったセルロイド板で両後肢の足指部分を頭方向へ4mm押し、後肢下眼伸筋群の伸張反射の張力を記録した。 〔結果〕高周波破壊法により、非常に高い確率で固縮を作製することができた。薬物による抑制後の回復もみることができた。固縮ラットの平均反射張力は、約50gであった。baclofen(3mg/kg,i.v.)、chlorpromazine-HCl(0.1-1mg/kg,i.v.)、diazepam(0.1-1mg/kg,i.v.)、tizanidine-HCl(0.1-0.3mg/kg,i.v.)およびtolperisone-HCl(1-10mg/kg,i.v.)は、固縮を抑制した。固縮発現機序についても研究中である。
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