1985 Fiscal Year Annual Research Report
冠循環を中心とした無麻酔無拘束動物における薬理作用研究方法のシステム化
Project/Area Number |
60870094
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
上野 昭 長崎大学, 医, 教授 (70039486)
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Keywords | 冠循環 / 無麻酔無拘束動物 / テレメーター |
Research Abstract |
循環器用薬の開発、薬理作用の評価は従来麻酔動物における静脈内注射の効果を中心に進められてきたが、これと臨床応用に於ける効果との間に少なくないギャップが存在することが漸く一般にも認識されるようになった。この原因は臨床応用が経口投与を主体としているため、薬物の生体利用率は低く、又麻酔下動物が生理学的条件から著しく離反した状態であり、この特殊な条件下で惹起される反応にある。 本研究は無麻酔無拘束動物での経口投与で薬物評価を可能とするための技術開発を行うもので本年度の研究課題は下記のとおりであり、各項目とも着実に進歩し、次年度全てが完成する展望が確実になった。 1.測長器:圧電素子を加工、諸種のジメンション・トランスジューサーを作製、左冠状動脈回旋枝に装着し回旋枝外径を、また左心室内壁に対稲的に装着し左心室内径を無麻酔無拘束犬において長期間連続的に記録する技術を改良に改良を重ね確立した。またこれを無線伝送する超小型無線測長器ユニットの開発は完了した。 2.多チャンネル同時計測の基本的諸問題:各チャンネル間の交話が予想されていたが、電磁血流計プローブ、心電図、測長器トランスジューサーのアース電位を中和することで解消された。しかし張力トランスジューサーの交流励起はジメンション・トランスジューサー出力にノイズ混入を起し、直流励起に変更し解決した。 3.多チャンネル化の問題点:血圧、心電、測長ユニットの変調器出力の規格化に成功した。血流ユニットの出力は広帯域となったため、これのみ単独送信に切換えた。 4.植込みセンサーの寿命延長:リード線を体内に植込み検討した結果、コーナーワイヤー会社のものが最も優れており、結線部は半田付け後断端を蝋付けしエポキシ樹脂で包埋することで寿命延長を達成し、長期間の多チャンネル連続記録が可能となり本年度の課題の目標を達成した。
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Research Products
(1 results)