1985 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワーク接続可能な高性能ワークステーションの開発
Project/Area Number |
60880005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
猪瀬 博 東京大学, 国立大(その他), 教授 (70010618)
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Keywords | ワークステーション / プロトコル / X.25 / 学術情報システム |
Research Abstract |
本年度は、主として学術情報システムの一翼を担う図書館向けワークステーションに的をあて、システムの基本設計、プロトタイプ作成、接続試験等を実施し、プロトタイプシステムの一応の完成を見た。 図書館向けワークステーションは、多言語文字種や日本語漢字の外字を数多く取扱える必要があり、今後の端末機能多様化の一側面を代表している。また一方、通信機能においても、多種文字の使用は余り前例を見ないものである。まず通信方式においては、CCITT勧告のX.25パケット交換方式を前提とすることにし、さらに適宜X.28などを援用する。これは国際的な標準に従うべきとの方針からである。さらに、その上位にレコード転送、標準的な文字コードを表わす層、画面転送を行なう応用層を設定し、東京大学文献情報センターで実施している図書館向け目録システムの仕様を強化するよう努めた。以上のプロトコルの主要部は「VTSS方式」として仕様化されている。 以上の設計方針に基き、ホスト側計算機システムにおけるソフトウェア開発と、端末システムのプロトタイプ作成が行なわれた。ホスト側についてはデータ転送部分を主体に実用に耐え得るソフトウェアとして作成した。一方端末側は、通信方式の実証実験、ホスト側ソフトウェアのデバッグ等に使用することを目的として、まずシミュレータを作成した。シミュレータとは、各プロトコル階層の挙動をモニタリングして適切な診断を行なうためのものである。ホスト側機能および端末側機能の双方を検証するためのツール群を作成した。端末システムのプロトタイプは、これらのシミュレータで検証され、基本的な動作については概ね完成したと言える。今後はプロトタイプから実用に耐える形にまでソフトウェアを整備・強化していくことが必要である。また他へのワークステーションの応用に向けて、プロトコルを改修していく方向で検討を始めている。
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Research Products
(2 results)