1985 Fiscal Year Annual Research Report
肥満細胞欠損マウスの開発・生産ならびに利用促進に関する研究
Project/Area Number |
60880010
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北村 幸彦 大阪大学, 医, 教授 (70028520)
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Keywords | 突然変異マウス / 肥満細胞 / インターロイキン3 / アレルギー / 血栓栓塞症 / ダニ |
Research Abstract |
1).(WB×C57BL/6)【F_1】-W/【W^v】マウス以外の肥満細胞欠損マウスを開発するため名古屋大学で発見された【W^n】遺伝子をWB系に導入してWB-【W^n】/+マウスをつくり、イギリスでみつかった【W^(sh)】遺伝子をC57BL/6マウスに導入した。 この2系統を交配して(WB×C57BL/6)【F_1】-【W^n】/【W^(sh)】マウスを得た。 【W^n】/【W^(sh)】マウスはW/【W^v】マウスと同程度の肥満細胞欠損状態を示すが貧血の程度は軽く胃潰瘍もあまり重症にならないので、W/【W^v】マウスより使いやすい、W/【W^v】と【W^n】/【W^(sh)】の最も異る点は生殖巣である。W/【W^v】の生殖巣ではオスメスともに生殖細胞がなく不姙であるのに【W^n】/【W^(sh)】ではオス・メスとも生殖力を持つ。 C57BL/6-【W^(sh)】/【W^(sh)】マウスも生殖力があるのでWB-【W^n】/+のメスとC57BL/6-【W^(sh)】/【W^(sh)】のオスをかけあわせ、仔の1/2か【W^n】/【W^(sh)】で肥満細胞欠損になるようにして繁殖の能率化を試みたが、C57BL/6-【W^(sh)】/【W^(sh)】のオスの活動力が弱く、繁殖成績はあまり向上しなかった。 2).静岡県動物協同組合から(WB×C57BL/6)F1-W/【W^v】マウスの供給を受け、肥満細胞の分化に関する研究を行った。本年度は特に肥満細胞亜群間における相互転換についてしらべ、インタロイキン3の存在下でマウス骨髄細胞を培養した時に分化してくる培養肥満細胞をW/【W^v】に移植すると結合組織では結合組織型肥満細胞に消化管粘膜内では粘膜肥満細胞に分化することを示した。 3).静動協のW/【W^v】マウスを利用して、W/【W^v】マウスが、現在まで想定されてきている肥満細胞の機能を吟味するために非常に有用であることを、ダニの感染、血栓栓塞症の発症、遅延型アレルギー反応について示した。 4).肥満細胞欠損マウスの利用促進をはかるために、小冊子をつくった。 各方面に配布の予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Developmetal Biology. 109-234. (1985)
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[Publications] American Journal of Pathology. 119-367. (1985)
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[Publications] Biology of Reproduction. 33-899. (1985)
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[Publications] Journal of Parasitology. 71-443. (1985)
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[Publications] Journal of Experimental Medicine. 162-1025. (1985)