1986 Fiscal Year Annual Research Report
肥満細胞欠損マウスの開発・生産ならびに利用促進に関する研究
Project/Area Number |
60880010
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北村 幸彦 阪大, 医学部, 教授 (70028520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 潤 大阪大学, 医学部, 助教授 (50173430)
仲野 徹 大阪大学, 医学部, 助手 (00172370)
金倉 讓 大阪大学, 医学部, 助手 (20177489)
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Keywords | 肥満細胞 / 肥満細胞欠損動物 / 疾患モデル / アレルギー疾患 / インターリウキン / IgE |
Research Abstract |
昨年度の予算で印刷した「肥満細胞欠損(W/【W^v】、Sl/【Sl^d】)マウス」という小冊子を各方面に配布した。特に大阪で開かれた疾患モデル研究会で、授付におかせてもらったところ100人以上の参会者により持ち帰られた。また北村と藤田はJpn.J.Cancer Res.に我が国で癌研究のために用いられている実験動物についての総説を書きそのなかでW/【W^v】、Sl/【Sl^d】マウスの肥満細胞欠損マウスとしての利用についても言及した。さらに北村はハーバード大学のGalli準教授と協同してW/【W^v】、Sl/【Sl^d】マウスに関する総説をAm.J.Pathol.に投稿し現在印刷中である。上記のような活動を通じて肥満細胞欠損マウスへの関心が高まり各方面で利用されるようになってきた。ここで1つ問題となるのはW/【W^v】マウスの価格である。大学などの研究者にとってはやや高価と思われるので、研究を開始したい研究者には我々の研究室で余剰となったW/【W^v】マウスを供給した。W/【W^v】マウスを肥満細胞欠損マウスとしてして使用するにあたって問題となる点の1つに何を対照とすればよいのかという点があった。同系正常(+/+)マウスも一応対照となるが、W/【W^v】マウスには肥満細胞欠損症以外に色素細胞と生殖細胞の欠損さらに貧血と3っつの異常があるので、W/【W^v】と+/+マウスに差があっても、その差を肥満細胞の欠損のみに帰すことができない。またW/【W^v】マウスに+/+マウスの骨髄細胞を移植すると色素細胞、生殖細胞の欠損はそのままだが、貧血は治癒する。そこで特異的にW/【W^v】マウスの肥満細胞欠損症のみを治す方法が期待されたが、本年はその方法を完成した。+/+マウスの骨髄細胞をインターリウキン3とインターリウキン4を含む培養液中で浮遊培養するとほぼ純粋な肥満細胞浮遊液が得られる。この培養肥満細胞をW/【W^v】マウスの皮膚に注射すると肥満細胞欠損の局所的治癒が得られ、静注内注射すると全身的治癒が得られた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Kitamura,Y.: Japanese Journal of Cancer Research. 77. 1169-1182 (1986)
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[Publications] Sonoda,S.: Journal of Immunology. 137. 1319-1322 (1986)
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[Publications] Sonoda,S.: Journal of Immunology. 137. 2152-2155 (1986)
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[Publications] Matsuda,H.: Journal of Parasitology. (1987)
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[Publications] Nakano,T.: Journal of Immunology. 138. 544-549 (1987)
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[Publications] Galli,S.J.: American Journal of Pathology. (1987)
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[Publications] Kitamura,Y.;Befus,H.D.;Bienenstock,J.B.;Denburg,J.A.,eds.: "Probable transdifferentiation between connective tissue-type and mucosal mast cells.In Mast Cell Differentiation and Heterogeneity" Raven Press,New York, 135-140 (1986)
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[Publications] Kitamura,Y.;Leed,C.E.,ed.: "Factors influencing mast cell differentiation.In Proceedings of the 12th Congress of Allergy and Clinical Immunology" Mosby,St.Louis, 154-158 (1986)