1986 Fiscal Year Annual Research Report
生化学領域における活用を目指した動的光散乱電気泳動装置の試作
Project/Area Number |
60880021
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高木 俊夫 阪大, 蛋白質研究所, 教授 (00029943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 宏一 大塚電子(株), 基礎開発部, 部長
亀山 啓一 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (60177607)
白浜 啓四郎 佐賀大学, 理工学部, 教授 (50039252)
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Keywords | 光散乱 / 電気泳動 / 蛋白質 |
Research Abstract |
蛋白質の溶液に電場をかけると、蛋白質分子は自己の荷電の符号と逆の電極へ向かって電気泳動を開始する。この時に、レーザー光を照射していると、蛋白質分子に当って散乱される光の周波数がドプラー効果のためにシフトする。本研究はこの周波数変化を測定することにより蛋白質の電気泳動挙動を評価できる装置を試作しようとするものである。 試作装置は製作を終わっており、本年度においてはテスト測定そして得られた結果にもとずく改良の施行を繰り返してきた。特に泳動セル部分について入念な設計変更を行ない、またフーリエ変換を中心としてプログラムの改良に努力した。昨年度は強い散乱光を発するラテックス粒子について電気泳動の測定に成功している。本年度の成果として強調したいのは、まず分子量13万のポリスチレンスルフォネートそして次には分子量6万強のウシ血清アルブミンについて電気泳動の測定に成功したことである。しかし、残念ながらウシ血清アルブミン免疫グロブリンの分離には成功しなかった。分離能の向上が今後に残された最大の課題である。 本研究は蛋白質を対象として日常的に安定に作動する動的光散乱電気泳動装置を試作し、最終的には市販装置として通用するものの完成を目指している。今年度は目標の達成に向かって着実な前進を成し得たものと確信している。
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