1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60880024
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 憲昭 名古屋大学, 工, 教授 (90022996)
|
Keywords | 微小体積変化 / 照射損傷 / セラミックス / 微小長さ変化測定 / 中性子照射 / 電子線照射 |
Research Abstract |
本研究の目的は、照射等による微小体積変化の測定法を確立し、これを用いてセラミックスのバンデグラーフ電子線照射による体積変化およびRTNS-【II】(米国ローレンス・リバモア研究所)14MeV中性子照射による体積変化を、【10^(-6)】の精度で測定する手法を発することにある。体積変化の測定には、長さ変化を静電容量に変換するトランスデューサーを作成し、同一チエンバー中に設置した2個の試料に対する照射線束の差を著しく大きくし、両者の長さの差を測定出来るようにした。 59年度までに上記トランスデューサーを作成し、予備実験を終了していた。60年度は59年度までに得た経験に基づき、新しくトランスデューサーを試作した。トランスデューサーの試料の長さ変化を静電容量測定用電極の移動に変換する部分は、本トランスデューサーの最も重要な部分であるので、これを一体とし約2.5cm角、5mm厚のステンレス鋼板から切り出した。このことが精度の増加に著しく寄与している。また上記の電極は2個の平板電極の中間に位置するようにし、その傾きによる2個の静電容量の差を測定した。これによってS/N比を高めることが出来、ドリフトおよびノイズを【10^(-6)】以下におさえることが出来た。 得られた主な結果は次の通りである。 (1)電子線照射により、Mg【Al_2】【O_4】および【Al_2】【O_3】ともに体積の増加が観測された。Mg【Al_2】【O_4】については、低照射線量では全く体積変化が起こらず、照射量の増加とともに体積の増加が観測された。 (2)14MeV中性子照射によるMg【Al_2】【O_4】の体積変化は【Al_2】【O_3】の体積変化の1/100以下である。【Al_2】【O_3】については、さらに高照射線量の原子炉中性子によって得られる体積変化の内挿値とほぼ等しい。 詳細については目下発表準備中である。
|