1985 Fiscal Year Annual Research Report
模擬高レべル放射性廃液の人工岩石固化体の合成と評価
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60880025
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
吉尾 哲夫 岡山大学, 工学部, 助教授 (70032943)
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Keywords | 模擬放射性廃棄物 / 人工岩石固化体 / 常圧焼結法 / ガラス固化法 / 浸出特性 / 水熱条件 / オートクレーブ / 焼成温度 |
Research Abstract |
1.人工岩石固化体の合成条件の検討 1).【Al_2】【O_3】,Si【O_2】,Ti【O_2】単成分系:ガラス固化法での従来の研究結果を参考に化学的耐久性を向上させる主成分としての【Al_2】【O_3】,Si【O_2】,Ti【O_2】の各成分に模擬高レベル放射性廃棄物(動燃組成)の負荷量10,15,20ωt%の場合について常圧焼結法で1100°,1200°,1300℃各10利間焼成を行い、固化体の合成条件について検討した。その結果、【Al_2】【O_3】系,Si【O_2】系ではともに廃棄物との反応生成物は認められず、緻密な固化体は得られなかった。一方Ti【O_2】系では廃棄物の負荷量の増加、及び焼成温度の上昇とともにアルカリチタネートを生成し固化体の密度はかなり高くなるが1300℃では一部熔融する結果が得られた。 2).Ti【O_2】-【Al_2】【O_3】-Zr【O_2】系:1)の結果に基づいて、Ti【O_2】-【Al_2】【O_3】-Zr【O_2】系について同様に岩石固化体の合成条件を検討した。その結果、廃棄物負荷量、10,20,30ωt%いずれの場合も焼成温度の上昇とともに密度は高くなり、負荷量10ωt%では,1200℃,20ωt%では1170℃,30ωt%では1130℃で密度の最大値を示し、常圧焼結によってもジルコノライト、ホーランダイト、ペロブスカイト相からなる緻密な岩石固化体を合成し得る条件を見い出した。 2.人工岩石固化体の浸出特性の評価 1-2)で作成した岩石固化体についてオートクレーブ中,100℃,200℃,300℃の水熱条件下での重量減少量ΔWの測定を行った。廃棄物負荷量30ωt%では300℃,10日間でΔW=30g/【m^2】,200℃,10日間でΔW=4g/【m^2】,100℃では浸出は認められず、ガラス固化体(PO-500)と比較しても1オーダー低く試験後の試料の外観にもほとんど変化は認められなかった。以上のように、本年度の研究で得たTi【O_2】-【Al_2】【O_3】-Zr【O_2】系岩石固化体は常圧焼結法が適用でき、しかも浸出特性にも優れた固化体であることから、本研究を行う上で重要な固化体作成法として満足すべき結果と云える。
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