1985 Fiscal Year Annual Research Report
遺跡出土木材の保存ならびに年輪年代推定のための画像情報計測システムの開発と応用
Project/Area Number |
60890011
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
石垣 昭 奈良工業高専, その他, 教授 (30043467)
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Keywords | 保存科学 / 遺跡出土木材 / 年輪年代推定 / 画像情報処理 |
Research Abstract |
1.X線造影法 本研究費により購入したX線非破壊検査装置によって各種の造影法とX線写真撮影条件について検討を重ね、含浸物質の浸透状態の研究や出土木材の年輪年代推定のための最適な方法を検討した。この結果出土木材へのPEGやt-ブチルアルコールの浸透過程の研究に必要な撮影条件を確定した。また春材部と秋材部を判別できる造影法を開発した。 2.画像計測システムによる解析 本研究費により購入したビデオイメージプロセッサを既設のパーソナルコンピュータに接続し、本研究に適した画像計測システムを構成し以下の成果を得た。 1)含浸物質の分布状態の解析 画像入力系の濃度特性など基本的諸特性を明らかにし本研究に十分適用できることを確認した。これを基礎に含浸時間の異なる複数画像の濃度ヒストグラムに基ずいて含浸過程を最もよく表わす疑似カラー表示の方法を開発した。また、含浸時間の異なる複数画像間の濃度差から、出土木材中の任意の部分および全体の含浸速度の時間変化を求めるための基礎的手法を開発した。 2)年輪パターンの抽出 年輪のX線画像を、その濃度ヒストグラムに基ずいて最小自乗判別しきい値決定法により濃淡の2値化を行ない、その境界線を年輪として抽出するという簡単な手法について検討した。この結果、比較的鮮明な画像では正確に年輪を抽出できたが、不鮮明で濃淡に偏りがある場合や、出土木材の腐朽、傷等による雑音がある場合には問題があり今後、X線写真の撮影条件、出土木材片の厚み、造影方法をさらに検討しより正確な抽出条件を求めることが検討課題である。
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Research Products
(1 results)