1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61015010
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
橋本 逹一郎 筑大, 基礎医学系, 教授 (90015975)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野崎 菊夫 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (20101313)
|
Keywords | インターロイキン1 / ヒトメラノーマ細胞 / 骨髄性白血病細胞 / サイトカイン |
Research Abstract |
我々はインターロイキン1(IL1)がヒト・メラノーマ細胞(A375)に対しinvitroで増殖阻害活性を示すことを見出しているが、今回、IL1感受性及び耐性のクローン株をヌードマウスに移殖後、ヒトrecombinant 1L1αを投与し腫瘍の治療を試みた。まずIL1感受性クローンをBalb/cヌードマウスに皮下移植し、腫瘍の直径が約1cmに達した後、腫瘍内にIL1αを3,1,0.3mg7日に1度3回投与した。その結果、IL1投与群ではいずれの場合もIL1投与中腫瘍の増殖が抑制された。しかし投与をやめると増殖は回復した。又、25%のマウスにIL1投与により腫瘍の壊死が認誘された。次に、IL1耐性のクローンを移植し、やはり腫瘍の直径が約1cmに達した後、腫瘍内にIL1を1日おきに6回連続投与した。その結果、コントロール細胞の増殖が悪く有意差は認められないものの、IL1投与により増殖抑制の傾向がみられた。又、IL1投与群では投与量(3〜0.3mg)にかかわらず、約60%のマウスに腫瘍の壊死がみられた。従って、IL1はin vitroの感受性にかかわらず、又、T細胞の関与なしにin vitroにおいて抗腫瘍活性を示すことが示唆された。 更に我々はin vitroにおいて、マウス骨髄性白血病細胞(M1)に対しIL1αが増殖抑制活性を持つことを見出した。IL1αの増殖抑制活性はインターフェロンα,β(TNF),腫瘍壊死因子(TNF)と組み合わせることによって著るしく増強された。同時にIL1+IFN,IL1+TNF処理で細胞のマクロファージ様細胞への分化が誘導された。そこでin vitroでもIL1により同様なことが起るか否か研究を行った。まず、ヌードマウスに腫瘍を腹腔内移植後1週目から、IL1αを5日連続腹腔内投与したところ、1日IL1を0.1,0.01mg投与群で腫瘍の治癒,延命効果が認められた。今後、IFMとの間で腫瘍の治療において相乗効果が認められるか否か、in vitroでも腫瘍の分化が認められるか否か検討する予定である。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] T.Tamatani;H.Urawa;T.Hashimoto;K.Onozaki: Biochem.Biophys.Res.Commun.(1987)
-
[Publications] K.Onozaki;T.Tamatani;T.Hashimoto;K.Matsushima: Canter Research. (1987)
-
[Publications] K.Onozaki;H.Urawa;T.Tamatani;Y.Iwamura;T.Hashimoto;T.Baba;H.Suzuki;M.Yamada;S.Yamamoto;J.J.Oppenheim;K.Matsushima: (1987)