1986 Fiscal Year Annual Research Report
高発がん疾患群の細胞ならびに免疫学的特性に関する研究
Project/Area Number |
61015030
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
日暮 真 山梨医大, 医学部, 教授 (00010223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
織田 正昭 山梨医科大学, 医学部, 助手 (20160872)
竹下 達也 山梨医科大学, 医学部, 助手 (20150310)
飯島 純夫 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (70114361)
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Keywords | ダウン症 / 細胞周期 / 加令 / 放射線高感受性 / 高発がん疾患群 |
Research Abstract |
ダウン症候群患児(者)はがんの発生率が一般に比して異常に高い一方、これらの患児来細胞は放射線や種々の化学物質曝露に対し染色体異常誘発率も有意に高いことが立証されている。これらの患児(者)より得たリンパ球を用いたin vitroの実験を行ない、染色体異常・姉妹染色分体交換・細胞分裂能・遺伝子突然変異率等について、種々の有害環境因子や加令との交絡を含めて、高感受性の有無とこれらの変異の相互の関連性を検討している(放射線照射装置)。 ダウン症は周知のごとく30〜40才代でAlzheimer病の症状を示しはじめる早期老化現象を特徴とし、老化研究のモデルの1つとされている。しかし、前述した放射線高感受性・PHA高反応性・あるいは2相性の修復等の細胞遺伝学的特徴について詳細に加令の影響を検討した報告はない。そこで本年は乳幼児期ダウン症、20才代ダウン症それぞれ4例ずつについて、細胞周期等に関する検討を行なった。培養時間60,66,72時間についてみたところ、本症の方が対照群よりも細胞周期が先に進んでいる傾向がみられたこと、加令による影響については20才代では明確には言えぬこと、PHA高反応性は20才代でも依然保持されていること、X線照射後の量反応関係については低線量(25rad)では本症の高感受性は明らかではなかったが、高い線量(75rad)では1.5倍以上の高感受性を示していること等がわかった。なお、現在分割照射,mitotic index,芽球化率等の分析中である。次年度には、さらに30才代,40才代,50才代の本症患者よりの細胞について検討を加え、発がん・加令・環境・免疫・遺伝の相互関係について考察してゆく予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Higurashi,M.et al.: Birth Defects(Original Article Seris). 22. 251-276 (1986)
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[Publications] Takeshita,T.;Conner,M.K.: Carcinogenesis. 6. 1097-1102 (1985)
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[Publications] Iijima,K.;Higurashi,M.;Hirayama,M.: Alan R Liss. 526-537 (1985)
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[Publications] Takeshita,T.;Conner,M.K.: Cancer Res.44. 3820-3824 (1984)
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[Publications] Iijima,K.;Higurashi,M.et al.: Hum.Genet.66. 57-61 (1984)