1986 Fiscal Year Annual Research Report
抗腫瘍免疫を担うDTH型エフェクター長期培養株の樹立と対応する抗原性の解析
Project/Area Number |
61015043
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
栗林 景容 京大, 医学部, 助手 (10064578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 徹 京都大学, 医学部, 助教授 (00027319)
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Keywords | 腫瘍免疫 / CTL / DTH型エフェクターT細胞 / 養子免疫療法 |
Research Abstract |
当初使用を予定された腫瘍であるFBL-3リンホーマ以外にもL3T4細胞表面マーカー陽性でnoncytolyticなeffector T細胞を誘導する腫瘍があるか否か及びこのような腫瘍のDTH誘導能は(BALB/c×C57BL/6)【F_1】ヌードマウスを用いた養子免疫療法におけるnoncytolyticサブセットの腫瘍排除能と相関するか否かをはじめに検討した。1.我々の研究室で樹立した上記ヌードマウス由来の紫外線誘発線維肉腫2株(UV♀1,UV♂1)はFBL-3と同様に強いDTH誘導能を有することが判明した。同時にこれらの腫瘍は特異的CTLをも誘導するなど強い免疫原性を有し、同系nu/+マウスに移植後自然退縮する。2.養子免疫療法により全例の腫瘍拒絶をひきおこす最少の免疫脾細胞から移入前に抗Lyt-2抗体と補体処理によりCTL分画を除去しnoncytolytic T細胞分画を得、その腫瘍排除能を比較した。その結果FBL-3は処理された脾細胞に含まれるnoncytolytic T細胞又はCTL分画のみで排除されたがUV♀1及びUV♀1はいずれのT細胞分画単独又はそれぞれの3倍量でも排除されなかった。しかし処理後両分画を再混和して移入するとその腫瘍排除能はよく回復した。以上のことはnoncytolytic分画はFBL-3には有効であるが紫外線誘発腫瘍の場合には効果が弱いことを示しており従ってDTH誘導能と腫瘍排除能を有するnoncytolytic T細胞分画の出現は必ずしも相関しないことを意味している。従ってどのようなeffector T細胞が出現することにより腫瘍が排除されるか否かは個々の腫瘍細胞の抗原性の質的な差異に依っていると考えられる。以上のことからFBL-3はnoncytolytic T細胞株を樹立し、腫瘍排除の機序を解析するには適した腫瘍であることが再確認されたが、予想した以上にこのような株を樹立することは困難であり、現在尚成功していない。現在、抗Lyt-2抗体をin vivo投与し、Lyt-2陽性T細胞を排除(抑制)したマウスより目的とするT細胞株を樹立するための系を確立中である。
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