1986 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト癌細胞増殖抑制に働くモノクローナル抗体を応用した新しい癌の治療法に関する研究
Project/Area Number |
61015088
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
今井 浩三 札幌医大, 医学部, 講師 (60117603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野田 裕治 札幌医科大学, 医学部, 助手 (10165128)
谷内 昭 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50045324)
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Keywords | モノクローナル抗体 / 癌細胞増殖抑制 / 新しい治療法 |
Research Abstract |
近年モノクローナル抗体を固定癌の治療に利用しようとする試みが行なわれているが、そのアプローチは主として毒素あるいは抗癌剤との結合によるものであり、結合体の生体内安定性,安全性あるいは生体内運命等の面で不明の点が多い。申請者らはヒト肝癌に対して作製されたモノクローナル抗体中に、抗体単独で、ヌードマウスに移植されたヒト肝癌の増殖抑制活性を示す抗体を見い出し報告した。本モノクローナル抗体は分子量50万以上の糖蛋白と反応し、その抗原決定基はH(type-2)およびY糖鎖であることが判明し(Tumor Biology 6:257,1985)、この糖鎖が増殖因子リセプターに関連する可能性を含めて検討しつつある。本研究においては、これまで少数例の報告にとどまる、ヒト固形癌に対する、抗体単独で癌増殖抑制に働くモノクローナル抗体の開発に焦点をあて、作製された抗体を、新しいスクリーニング法を導入して選択した。またヌードマウスに移殖されたヒト固型癌に対する抗体の癌増殖抑制効果を検討し、その増殖抑制機序を増殖因子リセプターあるいは抗イディオタイプ抗体との関連で検討を加えた。標識モノクローナル抗体SI(Ig【G_3】は移植癌細胞に有意に集積し、強いex vivo ADCC(ADMC)活性を有していた。さらに対応する抗原分子あるいは決定基の免疫化学的検索も行ない、対応抗原を精製分離しつつある。今後組みかえDNA技術を導入して、Fc部分をヒト型につなぎかえたキメラ抗体の作製を試み、特異性が高く安全な治療薬としてのモノクローナル抗体を開発するべく研究をすすめる予定である。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] Yachi,A.;Imai,K.: Tumor Research. 20. 1-9 (1986)
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[Publications] Sugiyama,T.;Imai,K.,et al: Jpn.J.Cancer Res.(Gann). 77. 722-729 (1986)
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[Publications] Yachi,A.;Imai,K.,et al: Protides of Biological Fluids. 34. 355-358 (1986)
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[Publications] Yachi,A.;Imai,K.,et al: Jpn.J.Med.25. 127-134 (1986)
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[Publications] Kitagawa,A.;Imai,K.,et al: Jpn.J.Cancer Res.(Gann). 77. 922-930 (1986)
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[Publications] Imai,K.,et al: "Labeled Antibodies"(Kano,K.ed.),Tokyo University Press,Tokyo. 433-436 (1987)
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[Publications] Yachi,A.;Imai,K.,et al: "Labeled Antibodies"(Kano,K.ed.),Tokyo University Press,Tokyo. 429-432 (1987)
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[Publications] Imai,K.,et al: Gastroenterol.(1987)
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[Publications] Hinoda,Y.;Imai,K.,et al: Jpn.J.Cancer Res.(Gann). (1987)
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[Publications] Hinoda,Y.;Imai,K.,et al: J.Immunol.(1987)