1986 Fiscal Year Annual Research Report
培養血管内皮細胞における腫瘍細胞由来血管新生因子の分離および同定
Project/Area Number |
61015105
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
腰原 康子 老人総研, その他, 研究員 (20073025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大山 俊郎 (財)東京都老人総合研究所, 総合研究, 研究員 (90183243)
深見 希代子 (財)東京都老人総合研究所, 薬理, 研究助手 (40181242)
川村 美枝子 (財)東京都老人総合研究所, 薬理, 研究助手 (10100132)
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Keywords | 転移 / 血管新生 / 内皮細胞 / マトリックス / 毛細血管 / 増殖因子 |
Research Abstract |
1.ヒト血管内皮細胞の培養をできるだけin vivoを反映する条件で行うためマトリックスの検討を行い臍帯静脈血管内皮細胞の場合はヒト胎盤由来コラーゲンに良好な増殖が見られた。このコラーゲンは大量に容易に調整できるうえにヒトであることからよりin vivoに近い条件で培養ができた。この細胞の増殖には血清のほかに増殖因子が必要でありシャーレにコラーゲンをcoatingするとECGSかFGFのどちらか一方で良いことが判明した。 2.血管内皮細胞が産生するプロスタサイクリンは強い抗凝集作用を持ち動脈硬化の予防に深く関与している。in vitroの細胞培養系においても10PDLから産生能は減少を始め22PDLから急激に減少した。in vivoで同じような結果が見られており寿命を持つヒト内皮細胞はプロスタサイクリン産生能に限っていえばin vivoの状態を反映している。 3.in vitroの血管新生の系を開発するためまず細胞増殖促進因子をがん細胞培養液から検索したが、顕著な促進効果をみることができなかった。おそらく作用を調べている期間が3日間で短いためと思われる。ヒトの血管内皮細胞は、倍加時間が長いので、1週間以上は続けて加えて調べる必要がある。培養液の効果が臍帯静脈内皮細胞と、体網微小血管内皮細胞で必ずしも同じでない。また偶然ではあるが微小血管内皮細胞に血管が新生できたことからもこの内皮細胞を使って転移のin vitroのアッセイ系を確立していく予定である。またがん細胞培養液の増殖因子の固定が今後の課題である。 4.胃癌の手術時に大量に手に入ることができる体網の正常微小血管内皮細胞が長期に培養できるようになったことは、血管新生の機序を検討するうえで画期的なことである。今年度は培養系を詳細に検討できなかったので来年度の課題として残された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Koshihara,Y.;Kawamura,M.: Prostaglandin Leukotriene and Medicine. 23. 253-265 (1986)
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[Publications] 福田勝則,大山俊郎,金丸和富,織田弘美,腰原康子,大島章: 脈管学. 26. 1183-1187 (1986)
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[Publications] Oshiyama,Y.;Ooyama,T.;Koshihara,Y.: In vitro.