1986 Fiscal Year Annual Research Report
崩災の規模・様式・発生頻度とそれにかかわる山体地下水の動態
Project/Area Number |
61020006
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
新藤 静夫 筑大, 地球科学系, 教授 (70058014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖村 孝 神戸大学, 工学部, 助教授 (50031125)
太田 猛彦 東京農工大学, 農学部, 助教授 (50134797)
中村 三郎 防衛大学校, 数学物理学科, 教授
古谷 尊彦 千葉大学, 教養部, 教授 (80027242)
町田 洋 東京都立大学, 理学部, 教授 (10087009)
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Keywords | 大規模崩壊のカタログ / 崩壊の素因 / 山体地下水の存在条件 / 山体地下水の動態 |
Research Abstract |
研究を効率的に進めるため、大きくつぎの2班に分かれ、適宜会合を持ち討議、打合せを行って、研究内容のチェックあるいは整合を計った。 (A班)町田,古谷,中村,奥西ーー主として古文書記録,崩災の調査資料を整理する一方、地形解析を加えて著名崩災の全国的なカタログ作りを行なった。その数は200例を越えるが、本報告ではその大部分を添付資料として加えた。以上の外、代表例として十二湖(青森県),葉山(神奈川県),倉並(長野県)をとりあげ、現地調査を実施し課題の前半部分を追究した。つぎにB班の研究との関連性に重点を置いて、上記の資料に基づき、崩壊の発生機構とそれが拡大して、いわゆる大規模崩災と呼ばれるようなものに発展する過程を追究した。これについても代表的流域をとりあげ、その調査結果を検討材料に加えた。 (B班)新藤,太田,沖村,北岡ーー山地における大規模な土木工事によって得られた水理地質資料,湧水記録を整理し、山体地下水の特質を明らかにする一方、特定試験地を設定し、山体地下水の存在場の特質,山体地下水の動態を明らかとした。また崩災の素因としての山体の不安定ポテンシャルを水質特性のうえから類推することの可能性について検討した。上記の研究のために設定された試験地はつぎのとおりである。 (1)第三紀丘陵地ー多摩丘陵(東京)(2)花崗岩山地(六甲)(3)花崗岩山地(三河)(4)火山性堆積岩地域(別府)、以上の各試験地において、貫入試験あるいはボーリングを実施し、上層構造を明らかにするとともに、これらを観測井として仕上げ、地下水位の変動特性を追った。また多数地点において地中水分の動き、また流出量を観測し、課題の後半部分を追究した。最終報告では上記A班,B班での成果を総合し、総括的結論を導いた。報告書は現在印刷中である。
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