1986 Fiscal Year Annual Research Report
非一様破壊断層モデルによる短周期地震動波形計算手法の検討
Project/Area Number |
61020010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 良輔 東大, 理学部, 教授 (10011470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 保典 東京大学, 理学部, 助手 (70011666)
工藤 一嘉 東京大学, 地震研究所, 助手 (50012935)
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Keywords | 短周期地震動 / 断層モデル / 非一様破壊 / 地殻構造 |
Research Abstract |
1.震源過程、破壊力学、岩石破壊実験等の研究により、徐々に解明されてきている非一様な破壊に関する知見を基にして、非一様破壊断層モデルのパラメタ(くい違い量もしくは局所応力降下量、震源時間亟数の立ち上がり時間、破壊伝播速度、微小領域の大きさや伏角・すべり方向など)の確率分布の形を改良すると共に、地表での速度・加速度波形を計算するプログラムの整備を行なった。 2.伊豆半島内に設置されている強震計記録により、S波の速度構造を推定した。伊豆半島のP波速度構造は精査されているが、強震動に最も寄与するS波構造は未知の要素が多いからである。1983,1984年伊豆東方沖群発地震の記録を利用したが、極めて浅い震源が無いため、やや深い構造のみ求まった。地殻上層のS波速度として3.0km/S、コンラッド層に対応する速度として3.9km/sが求まり、コンラッド面は北に下る傾斜(3.6度)を持つ。 3.1.及び2.の結果を検証するために、1980年伊豆東方沖地震の断層モデルを用いて、館山・根府川・川奈・修善寺・御前崎の5箇所での速度または加速度波形を計算し、観測波形との比較を行なった。観測波形の短周期地震動の大勢は理論波形で説明できるが、より詳細に見ると次のような不一致が指摘できる。加速度最大値は、今までの種々のデータから得られている距離減衰式に従っていない観測点が2つあるのに対し、理論値の方がむしろこの減衰式に従っている。これはこの地震もしくは観測点の特殊性を示しているものと思われる。また同一観測点での水平2成分の最大値は、観測値がほぼ同程度なのに対して、理論値の方は放射分布項(radiation pattern term)の影響を強く受けて、一方が他方よりかなり大きい。これは他の2、3の地震についても指摘されていることであり理論計算上考慮すべき事項として残されている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 南島正重: 地震. 39. 533-554 (1986)
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[Publications] 工藤一嘉: 第7回日本地震工学シンポジウム講演集. 199-204 (1986)
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[Publications] 工藤一嘉: 第7回日本地震工学シンポジウム講演集. 229-234 (1986)
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[Publications] Suzuki,Y.: National Disaster Science.