1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61025010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 学 東大, 工学部, 教授 (00010661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤野 陽三 東京大学, 工学部, 助教授 (20111560)
宮田 利雄 横浜国立大学, 工学部, 教授 (80010817)
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Keywords | 吊形式橋梁 / 自然風 / フラッタ / 設計基準 / 不規則振動 |
Research Abstract |
1.以前に本州四国連絡橋公団が行なった自然風のもとでの二次元模型実験データを用い、自然風の時間的変動が構造物の空力応答に及ぼす影響を統計的に解析した。その結果、気流の乱れのフラッタへの影響は風洞実験におけるほど顕著でなく、同時に迎角の影響はにぶいことが認められた。一方、気流の乱れによる不規則振動応答解析では、振幅,風速双方の変動が高風速域において正規分布とはいえないことが認められたが、これらは必ずしも断定しうる状況にはなく、更に今後の検討が必要である。 2.支間千メートル級の吊橋の二次元部分模型実験結果から、ストリップ理論を用い空力減衰率を計算したところ、全橋模型より得られた結果よりかなり安全側であることが認められた。この差異の原因の一つに、捩れ,水平曲げ,鉛直曲げの各変位の連成が考えられることを示した。これが耐風安定性に及ぼす影響は長大支間になると無視しえないことが予想され、慣用の照査方法には問題があることを示唆した。 3.自然風、とくに風の鉛直面内傾斜角の時間的・空間的変動特性が超長大支間吊橋のフラッタ振動振幅に及ぼす効果について、準定常性を仮定したシミュレーション解析を行ない、現行の耐風安定性照査規範の検討を行なった。その結果、現行の耐風設計基準は考慮すべき迎角の範囲が長支間の場合にはきびしすぎることが認められた。このさい、風速変動に関する種々のパラメータの影響について考察し、フラッタに対して最も重要な意味をもつのは平均風速・平均迎角の効果であること、特定の迎角においてのみ、空力的に不安定な断面をもつ場合にも、長大支間吊橋では十分安全な場合がありうることを指摘した。この一連の研究を通じて、より合理的な照査方法につながる簡単なモデルを提案し、数値計算によりその妥当性を検証した。
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Research Products
(1 results)