1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61030038
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
鈴木 喬 山梨大, 工学部, 教授 (60020385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 雍 明治大学, 工学部, 教授 (70061827)
堤 和男 豊橋技術科学大学, 物質工学系, 教授 (00013178)
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Keywords | 複合吸着剤 / 有害陽イオン / 有害陰イオン / ハイドロキシアパタイト / 火山灰土 / 改質シリカ / 有害イオン除去プロセス |
Research Abstract |
1.ハイドロキシアパタイト系複合吸着剤の開発 ハイドロキシアパタイト(Ca/Pのモル比:1.67,表面積:54【m^2】/g)による【Zn^(2+)】,【Cd^(2+)】,【Pb^(2+)】,【Hg^(2+)】の除去特性を検討した結果,【Zn^(2+)】,【Cd^(2+)】,【Pb^(2+)】は共存陰イオンの種類に関係なくアパタイト中の【Ca^(2+)】と陽イオン交換反応により容易に除去されるが、【Hg^(2+)】は配位能力のため対陰イオンの影響をうけしかも単純な陽イオン交換反応ではなく結果的にアパタイト構造を破壊して、【Hg_3】【(PO_4)_2】として除去される事が判明した。【Hg^(2+)】系の反応生成物であるHg【(PO_4)_2】はpHが4.0,3.0のような低pH領域でも安定に存在でき、しかも試料アパタイト中に吸着した状態で存在し得るので、このアパタイトは酸性雰囲気排水中からの【Hg^(2+)】の除去剤(gあたり少くとも20mg)としても十分使用可能である。次にアロフェンを主組成とするY-1,Y-2と名ずけた火山灰土より【BF_4】の除去特性を検討した結果、gあたり30〜40mgの【BF(^-_4)】の除去が可能であった。【BF(^-_4)】はハイドロキシアパタイトでは除去不可能なので、このY-1,Y-2とハイドロキシアパタイトの複合系にすれば各種排水中に含まれる【Zn^(2+)】,【Cd^(2+)】,【Pb^(2+)】,【Hg^(2+)】,【BF(^-_4)】,【F^-】等の有害陽,陰両イオンの同時除去が可能であると考えられる。 2.ポリマーグラフト化シリカ系複合吸着剤の開発 シリカ表面にポリスチレンをグラフト導入した改質シリカにより【Hg^(2+)】の除去特性を検討した結果、1ppm以下の低濃度の【Hg^(2+)】を各種イオン共有下でも選択的によく除去できる事が判明した。 3.重金属イオン除去プロセスの平衡・速度論的検討 実用的な除去プロセス開発の基礎データを得るために回分攪拌槽を用いてハイドロキシアパタイトによる【Pb^(2+)】,【Cd^(2+)】の平衡吸着量,吸着速度,活性化エネルギー等を求めた。その結果、一般に吸着平衡は直角平衡とみなせる事,速度過程は境膜拡散律速である事が判明した。現在実用的な吸着装置を設計中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 鈴木喬: 石膏と石灰. 204. 58-64 (1986)
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[Publications] M.Miyake: J.Solid State Chem.,. 61. 230-235 (1986)
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[Publications] 竹内雍: 化学工学論文集.