1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61030050
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
今村 成一郎 京工繊大, 工芸学部, 助教授 (00027898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 信五 中部大学, 工学部, 助教授 (00102765)
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Keywords | 複合燃焼触媒 / 銀 / マンガン / サマリウム / 一酸化炭素 / 排ガス / 燃焼触媒 |
Research Abstract |
排ガスの燃焼触媒としては通常白金系金属が用いられるが、資源的制約から問題があり、白金系以外の安価で高活性な燃焼触媒の開発が望まれる。銀は比較的安定であり、酸化物状態では白金系触媒をしのぐ活性を持つが、熱安定性が悪く、反応中に金属化凝集して失活する。本研究では銀を易動性の格子酸素を持つ酸化マンガンと複合させその安定化をはかることを目的として一酸化炭素の酸化を行なった。 共沈法により得、400°で焼成したMn/Ag複合触媒はMn単独、Ag単独いずれよりも活性が高く、COの98%転化温度はMn単独では約200℃であるのに対し、50mol%Ag含有触媒では約100℃にまで低下した。Ag含有率50mol%以下の触媒中のAgは、Ag単独では金属化する焼成条件であるにもかかわらず見かけ上1価の状態で安定化しているが、X線解析の結果よりこの状態は純粋の【Ag_2】OではなくMnと相互作用したE形態を持つことがわかった。触媒酸素種の昇温脱離の挙動を検討した結果、複合触媒ではAgの格子酸素に由来する反応性の高い酸素の脱離が見られた。しかし、この格子酸素脱離後もAgは1価の状態を保っており、逆にMnが低原子化していることが確認された。これらの結果より反応性の高いAgの格子酸素がCO酸化により消費されるとすみやかにMnから酸素が補給され、Agは酸化物状態を維持するためにその活性が持続すると推定した。 この触媒は200℃付近での反応では安定であるがより高温ではAgが酸化物状態を保ちえなくなり金属化凝集して失活する。そこで遷移金属酸化物の耐熱性を増大させるSmを5%添加しその効果を検討した。Sm添加系では700℃での耐久試験後も活性は全く低下せず、Mn中に金属化はしているがAgが高分散された状態で存在した。このことによりさらに熱安定性の良い触媒の開発が可能であることが示唆された。
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