1986 Fiscal Year Annual Research Report
人口集中地区の変動過程からみた地方広域社会経済圏における都市ネットワークの類型化
Project/Area Number |
61030073
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
戸沼 幸市 早稲田大, 理工学部, 教授 (50063566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 義則 茨城大学, 人文学部, 助教授 (70162245)
佐藤 滋 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (60139516)
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Keywords | 人口集中地区 / 市街化指数 / 市街地変動 / 定住圏 |
Research Abstract |
本年度は研究目的を達成するため以下の方法で研究を行なった。 (1)1985年度の国勢調査人口集中地区のデータベースを1980年分までのすでに作成済みのものに対応させて作成した。 (2)1960年から1985年までの5年間5期の市街地変動状態をタイプ分けし全国で20万の1の地形図をベースに地図化を行なった。 (3)国土庁の定住圏を単位として1985年までの人口変動と人口集中係数を計算し、これと人口集中地区分析の結果をあわせ、1)その国土の中における立地2)圏域の地理的構成3)定住圏内の都市の結合形態の3つとの関連で分析した。 (4)このうに特に、大都市圏からはずれた地方都市とその周辺の小都市から構成される定住圏を都市ネットワークという視点から分析し、この25年における変動実態を類型化し、併せて、圏域単位での社会経済的諸指標との関連を分析した。 (5)類型化たれたものの中から定住圏が複数連結して成立する広域的な社会経済圏のうち、東北仙台圏、北関東圏、九州熊本鹿児島圏を対象に現地調査と資料分析により、机上分析結果の検証と計画課題の抽出を行なった。以上の結果次の事項が明らかになった。 (1)1960年から80年までの間に国土全体の社会経済的動向の中で大きな変動をうけていたそれぞれの人口集中地区が1960年から85年までの間に、立地の悪い小規模市街地の中に衰退に向かうものが多く存在する。 (2)圏域全体と人口集中地区の関連では、人口集中地区が衰退しても農村への定住が進みつつあるものなど、必ずしも圏域全体と人口集中地区は相似的な変動をしているとは言いがたい。 (3)農村部で本格的な車社会の定着とともに商業中心としてDIDの位置づけが大きく変動しつつあり、計画や都市つくりの成果などが、市街地変動に与える影響が強まりつつある傾向が見られる。
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