1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61035001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
栗原 堅三 北海道大学, 薬学部, 教授 (00016114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏柳 誠 北海道大学, 薬学部, 教務職員 (20169436)
松岡 一郎 北海道大学, 薬学部, 助手 (40157269)
三宅 教尚 北海道大学, 薬学部, 助教授 (30133771)
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Keywords | リポソーム / ニオイ / アゾレクチン / 蛍光色素 / 界面電位 / 平板型2分子膜 / コレステロール |
Research Abstract |
前年度には、コレステロール誘導体の液晶膜が各種の悪臭ガスにより色応答ることを示した。液晶膜の悪臭ガスに対する応答特異性は、用いる液晶膜の組成に大きく依存した。リポソームは上記の液晶膜と類似の構造を有し、より単純な系であるので、リポソームを用いてニオイ物質に対する応答を調べた。アゾレクチンで作製したリポソームは、各種のニオイ物質に対し脱分極性の膜電位変化を示した。アゾレクチンにスフィンゴミエリンを添加すると、各種のニオイ物質に対する感度が増大した。次に純品の脂質を混合して、各種ニオイ物質に対る応答特異性を調べた。例えば、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、スフィンゴミエリンを混合したリポソームは、ヨノン、ノナノール、メントン、アミルアセテートの5種のニオイ物質に応答したが、5%のコレステロールを添加すると、ノナノールとメントンのみに応答するようになった。11%のコレステロールを添加すると、ノナノールのみに応答するようになった。このように、脂質組成を変化させると、各種のニオイ物質に対する応答特異性が変化した。したがって、脂質組成の異なる膜系を数種用意して、各種のニオイ物質を与えたときの各膜系からの応答を解析することにより、特定のニオイ物質を感知出来る。 以上のリポソームの実験では、膜電位変化を蛍光色素でモニターした。ニオイ物質を与えたときの膜電位変化をより直接的に測定するため、平板型脂質2分子膜を作製(直接膜電位を測定した。この結果、リポソームの場合と同様に、各種のニオイ物質により膜電位変化が起こることがわかった。また脂質2分子膜の両側のイオン濃度を同じにした系でも、ニオイ物質により膜電位変化が起こることがわかった。このことは、ニオイ物質によって膜電位変化が、イオン透過によって起こるのではなく、界面電位変化で起こることを示唆した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] K.Yoshii;Y.Kiyomoto;K.Kurihara: Comp.Biochem.Physiol.85A. 501-507 (1986)
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[Publications] K.Kurihara;K.Yoshii;M.Kashiwayanagi: Comp.Biochem.Physiol.85A. 1-22 (1986)
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[Publications] M.Kashiwayanagi;K.Sai;K.Kurihara: J.Gen.Physiol.(1987)
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[Publications] T.Nomura;K.Kurihara: Biochemistry. (1987)
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[Publications] T.Nomura;K.Kurihara: Biochemistry. (1987)