1986 Fiscal Year Annual Research Report
内湾域における動物プランクトンと植物プランクトンの相互作用
Project/Area Number |
61035023
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺崎 誠 東大, 海洋研究所, 助教授 (20111586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古谷 研 東京大学, 海洋研究所, 助手 (30143548)
西田 周平 東京大学, 海洋研究所, 助手 (70134658)
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Keywords | 内湾域 / 動物プランクトン / 植物プランクトン / 相互作用 / 摂食 / フロント |
Research Abstract |
1.カイアシ類群集の摂餌 春季大増殖期の大槌湾および冬,夏季の東京湾において出現するカイアシ類計10種を対象に天然懸濁態粒子を餌料として飼育実験を行い摂餌率を測定し、餌料サイズ選択性を調べた。さらに得られた〓水率と現場採集試料に基づきカイアシ類群集の摂餌率を見積もった。カイアシ類はサイズ選択性の特徴から3つのグループに区分された。第一のグループは5mm以下の粒子に対して摂食能力を有し10〜15mm以上で高い〓水率を示した(Puseudocalanus mintus等)。第二のグループは15mm以下の粒子をほとんど摂食せず20mm以上で指数的に〓水率が増加した(Othoma davisae等)。第三のグループは天然懸濁態サイズスペクトルのピークを構成する粒子を選沢的に摂餌した(Acartia omorii)。A.omoriiの能動的選択摂餌は,培養した赤潮植物プランクトンを与えた実験でも明らかとなり赤潮生物が他の植物プランクトンと同様に摂食されることが明らかになった。大槌湾では天然懸濁態粒子現存量の4.0〜5.8%(4月),0.74〜7.6%(5月),東京湾では3.0%(2月),3.1〜4.5%(8月)が一日に摂餌されると見積もられた。 2.東京湾フロント域におけるプランクトン群集 1985,1986年の11月に淡青丸航海で東京湾のフロントを水温,塩分,栄養塩,クロロフィル量の水平,鉛直分布から明らかにし、同時に動,植物プランクトンの採集を行い,組成を調べた。両年とも観音埼,剣埼沖にフロントが形成さ,植物プランクトン細胞数はフロント内側,フロント域,外側で各々1×【10^6】/l,4×【10^5】/l,1×【10^5】/lで,同様の傾向はクロロフィル-a量でも認められた。動物プランクトン現存量は内湾からフロント域までは350〜400mg/【m^3】であったが,フロント外側では半分以下に減少した。フロント域には内湾種と沖合種が混在し複雑な構造を示した。
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[Publications] TERAZAKI,M: Bulletin of Plankton Society of Japan. 33. 95-100 (1986)
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[Publications] TERAZAKI,M: Bulletin of Japanese Scociety of ScientificF.sheres. 52. 1355-1358 (1986)
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[Publications] Nishida,S: Journal of Plankton Research. 8. 907-915 (1986)
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[Publications] Nishida,S: Syllogeus,. 58. 385-391 (1986)
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[Publications] Furuya,K: Journal of exper;mental marine Biology and Ecology. 96. 43-55 (1986)
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[Publications] 古谷研,日本海洋学会編: "沿岸海洋調査マニュアル" 恒星社厚生閣, 257(149-153) (1986)