1986 Fiscal Year Annual Research Report
ポリエチレングリコール資化性細菌系をモデルとした共生現象の解析とその制御
Project/Area Number |
61035061
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Research Institution | Kobe University of Commerce |
Principal Investigator |
河合 富佐子 神戸商科大, 商経学部, 助教授 (60118007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 博司 神戸商科大学, 商経学部, 助手 (30166756)
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Keywords | ポリエチレングリコール / 合成高分子 / 共生細菌系 / 混合培養 / 微生物分解 / 透析培養 / 相利共生 / 共生系の再構成 |
Research Abstract |
共生的ポリエチレングリコール(PEG)資化細菌系E-1はFlavobacterium sp.とPseudomonas sp.を構成菌とし、PEG培地で培養時の動態は前者が圧倒的に優勢で、最大生育時には全菌数の90%以上を占める。この共生現象をPEG分解代謝経路から検討を加えた。PEG代謝酵素系およびPEG分解の過程で生じるグリオキシル酸(GOA)の同化酵素であるリンゴ酸合成酵素はいずれも誘導的にFlavo.sp.の菌体中に生成されるが、培地中にGOAが蓄積するとPEG分解が抑制される。一方Pseud.sp.はPEG分解には直接関与しないが、細胞当りのGOA代謝速度はFlavo.sp.より大きく、過剰のGOAを培地中より除去する働きがある。即ちFlavo.sp.がPEGを分解することによって生成するGOA量とその代謝速度がアンバランスなためは、GOAによるPEG分解代謝阻害が生じる。これをPseud.sp.が速やかに除去し、PEG分解を進めるという一種の解毒機構に基づいて、共生系が成立していることを示した。 この共生系は透析培養時にも成立するが、混合培養時に最もPEG分解および菌体収率が良く、両菌の存在は常に必須であった。さらに廃水処理のモデルシステムとなるケモスタット培養でも共生系は安定に維持されたが、今後さらに処理条件の最適化を図る必要がある。また、自然界における共生系の発現を知り、より秀れた共生系をえるために、共生系の再構成を試みた。Flavo.sp.とPseudomonas属の保存菌の混合培養ではかなりの菌が共生的にPEGを分解資化した。また純粋培養のえられている低分子PEG資化菌との混合培養でも数菌株について共生系が成立した。GOA代謝系の普遍性からみて、Pseud.sp.は他の菌でもおきかえられるが、最適な組合せはPEG代謝速度とGOA代謝速度の比によって決定され、Flavo.sp.による分解能の活性化が共生系成立のキーポイントとなると考えられた。回分および連続培養時の共生条件を、構成菌の組合せを含めて今後検討する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] F.Kawai: Arch.Microbiol.146. 125-129 (1986)
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[Publications] F.Kawai: CRC Critical Reviews in Biotechnology. (1987)
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[Publications] 山中博司: 昭和60年度日本農芸化学会大会講演要旨集. 65 (1986)
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[Publications] F.Kawai: Abstracts of 17th FEBS Meeting. 335 (1986)
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[Publications] F.Kawai: Abstracts of XIV International Congress of Microbiology. 248 (1986)
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[Publications] 河合富佐子: 第一回環境科学シンポジウム講演要旨集. 580-581 (1986)