1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61040003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
向井 利夫 東北大, 理学部, 教授 (30004237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米光 宰 北海道大学, 薬学部, 教授 (60001038)
吉田 善一 京都大学, 工学部, 教授 (60025814)
臼井 義春 茨城大学, 理学部, 教授 (60004347)
徳丸 克己 筑波大学, 化学系, 教授 (60011491)
丸山 和博 京都大学, 理学部, 教授 (90025263)
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Keywords | 高エネルギー物質 / 光エネルギー貯蔵・変換 / ノルボルナジエン / クワドリシクラン / 金属ポルフィリン錯体 / フェロセン誘導体 / 一重項酸素 |
Research Abstract |
光反応による高エネルギー物質の生成と光エネルギーの熱および電気エネルギーへの可逆的変換が本研究の目的である。 1).π-電子系の関与する光エネルギーの変換貯蔵の研究では2個のピリジル基を有する水溶性新規ノルボルナジエンやカルボニル基を有するカゴ型ジエンを用いる貯蔵系が見出された。 2).増感剤を利用する光エネルギーの化学的変換の研究ではノルボルナジエンの光異性化が数多くのベンゾフェノン誘導体で検討され最適増感剤が選択された。 3).高ひずみ化合物の生成と触媒開環反応。 4).水溶性太陽エネルギー貯蔵化合物の研究および 5).新しい電子系による光エネルギーの可逆的貯蔵の研究では分子内に電子供与基と電子受容基を有する数多くのノルボルナジエン誘導体および水溶性ノルボルナジエンが合成され光原子価異性反応が検討された。また7-クワドリシクランの開環反応に対す金属酸化物の触媒作用,ポルフイリン錯体触媒開環反応の機構が明らかにされた。 6).光増感反応に於る活性酸素種の可逆的貯蔵に関する研究では可視光増感剤としての各種有機色素を用いる一重項酸素の発生とフラン誘導体への貯蔵と熱反応による一重項酸素の効率良い再発生が見出された。 7).金属錯体をメディエーターとする光エネルギーの化学的変換に関してはフェロセン誘導体の光触媒機構と励起状態が解明された。 8).光エネルギーの化学的・電気的エネルギーの変換システムの研究では半導体電極累積膜と単分子膜におけるエネルギー移動の比較検討がなされた。 9).導電性高分子の光触媒反応の研究ではπ結合共役高分子による水還元水素発生,カルボニル化合物の光還元,オレフィンのシス-トランス異性化反応が見出された。 10).金属錯体を用いる光エネルギーの変換研究では各種金属ポルフィリン錯体の励起状態とエネルギー移動機構が動力学的に検討され新しい知見が得られた。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] T.Miyashi: J.Am.Chem.Soc.108. 2755-2757 (1986)
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[Publications] T.Kobayashi: Chem.Phys.Lett.125. 586-588 (1986)
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[Publications] K.Hirano: J.Chem.Res.
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[Publications] S.Yanagida: Synthetic Metals. 18. 785-790 (1986)
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[Publications] T.Akiyama: Bull.Chem.Soc.Jpn.59. 3589-3596 (1986)
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[Publications] Y.Kurimura: J.Chem.Research(S). 238-239 (1986)
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[Publications] Y.Kaizu: J.Phys.Chem.90. 4234-4238 (1986)
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[Publications] Y.Higuchi: Chem.Lett.1651-1654 (1986)
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[Publications] K.Maruyama: J.Chem.Soc.,Perkin Trans.【II】. 543-549 (1986)
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[Publications] M.Tsuchiya: Chem.Lrtt.1727-1730 (1986)