1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61040020
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
菅野 昌義 長岡技科大, 工学部, 教授 (50010731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 基之 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (10011040)
古崎 新太郎 東京大学, 工学部, 教授 (40011209)
田伏 岩夫 京都大学, 工学部, 教授 (80025907)
坂口 孝司 宮城医科大学, 医学部, 教授 (20040876)
江川 博明 熊本大学, 工学部, 教授 (50040358)
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Keywords | 海水ウラン / 吸着剤 / 吸着平衡 / 吸着速度 / フロインドリッヒの関係式 / 含水酸化チタン / アミドキシム樹脂 / 細孔内拡散係数 |
Research Abstract |
(1)吸着脱着の平衡および速度論については、有機バインダー造粒含水酸化チタン吸着剤を用い、天然海水を用いる撹拌槽実験で、平衡がフロインドリッヒの法則に従い、速度は細孔内拡散と液境膜物質移動の両者に律速されることを明らかにし、それぞれの係数を求めた。 (2)アミドキシム樹脂吸着剤については、橋かけ剤の役割を明らかにし、最適製造条件を求めた。またジヒドロキシホスフィン基及びホスホン基を有する樹脂のうちRSPが最大のウラン吸着性能をもつことが分かった。 (3)生物系物質を利用するウラン回収については、ポリジアミノ-6-ビニルSトリアジンにタンニンを固定化することで高性能の吸着剤を得た。またバイオフラボノールを利用する方法も開発した。 (4)特異的キレート樹脂については、ジチオカルバマートなどの配位子を含む特異構造の大環状及び鎖状化合物を合成し、複合繊維状吸着剤で約100μg-U/g吸着剤/日の高吸着速度が得られた。また海流利用型吸着採取システムの概念設計とコスト計算が行われ、14万円/kg-Uの値が得られた。 (5)海力利用海水・吸着剤接触方式については、波運動シミュレーション装置を用いて研究を行ない、水流および粒子の相対運動などの運動を連続写真から把握することができ、吸着速度の律速因子を求め、粒内拡散が律速であることが分った。 (6)各種形状吸着剤を用いる海水ウラン採取プロセスに関しては、中空系状多孔性ポリエチレン基材のアミドキシム化反応の条件と海水ウラン吸着特性の関係を求め、ウランの移動機構を明らかにするため吸着膜の合成と吸着平衡の実験を行ないフロインドリッヒの関係式を得た。 (7)総合コスト評価の一例としては海流直接利用型動層を検討し、各種形状の流動装置を比較し上吹込み四角錐型が優れていることを見出した。これと長管カラム型脱着装置を用いてプロセス設計を行ない、装置スケールと固定費変動費を求めたが総合コスト評価までには至らなかった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 中村奨,伊藤義郎,菅野昌義: 日本海水学会誌.
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[Publications] T.Hori;M.Yamawaki;M.Kanno: J.Nucl.Sci.Technol.
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[Publications] I.Tabushi et al.: Inorg.Chem.25. 1541 (1986)
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[Publications] 菅野昌義: ""海水からのウラン回収"エネルギー変換技術" 59-67 (1985)
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[Publications] 堀部純男,大町北一郎,菅野昌義: ""海洋鉱物資源"読売科学選書5" 読売新聞社, 226 (1986)