1986 Fiscal Year Annual Research Report
水素リサイクリング過程における粒子の表面反射現象の研究
Project/Area Number |
61050023
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
宇佐美 誠二 横国大, 工学部, 教授 (40017877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 啓子 東京大学, 生産技術研究所, 教務職員 (50114567)
本田 融 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (90181552)
桜井 誠 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (90170646)
岡野 達雄 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (60011219)
辻 泰 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70013092)
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Keywords | レーザ昇温脱離 / 気体分子の付着確率 / 水素原子線の檢出 / 原子状水素の表面反応 / バナジウムカーバイト / チタンカーバイド / 高分解能EELS |
Research Abstract |
1. プラズマー壁相互作用における気体分子の反射現象を実験的に解明するため、反射とは裏腹の関係にある表面への気相分子の吸着,吸蔵の機構を明かにする目的で、パルスレーザを表面に照射して昇温し、吸着,吸蔵する気体を脱離してその檢出器に到達するまでの飛行時間を測定した。四極質量分析計による脱離気体分子の檢出によると、質量数2から28までの問に観測される5種類のイオンは、そのいずれにおいても、はじめの早い時間に檢出器に到着する脱離分子と、それに比べておくれる気体分子の集団が観測される。前者は脱離したあと直接に檢出器に飛び込む分子であり、後者は真空槽内壁と衝突をおこして散乱される気体分子である。この後者の成分を時間解析した結果、実験槽の内壁に吸着する各種気体分子の付着確率を求める事ができた。滞留時間が長いと仮定して得られる付着確率は水素に対して【10^(-3)】,炭素の水化物や酸化物(質量数にして15〜28)は1桁大きい値であった。 2.(1)高温状態の炉内に多量に存在する原子状水素と表面との反応を研究する実験の基礎として、その強度を測定する檢出法の檢討を行った。時定数が小さくとれる市販のサーミスタの特性を測定し、十分の感度が得られる事を確めた。これを用いて、黒鉛表面に照射された原子状水素が水素イオンと同様にメタン生成をおこす事を観測した。(2)原子状水素と炭化物【V_6】【C_5】表面との反応をAES,EELS,LEEDなどの電子分光,電子回折法を用いて観測し、吸着の素過程としてVHxの生成,【V_6】【C_5】(100)面の表面原子構造は原子状水素の吸着による影響をうけない事が認められた。 3.気体吸着をさらに祥細に知るため、高分解能EELSならびにRHEED仕事関数の同時測定装置などを開発し、前者では【CO_2】/Ag(111),後者では【H_2】,【O_2】/TiC(111),Ta(110)などの吸着現象に関する原子レベルでの吸着状態に成果が得られた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Terada: Journal of Vacuum Science & Technology A. 4. (1987)
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[Publications] S.Usami: Journal of Vacuum Science & Technology A. July-Aug.(1987)
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[Publications] M.Sakurai: Journal of Vacuum Science & Technology A. 4. (1987)
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[Publications] 寺田啓子: 真空. 29. 271-275 (1986)