1986 Fiscal Year Annual Research Report
低エネルギー(100eV以下)イオンと炉壁材料との相互作用の物理・化学過程の解漫
Project/Area Number |
61050025
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森田 健治 名大, 工学部, 助教授 (10023144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 敏明 岡山理科大学, 理学部, 講師 (40158853)
金原 粲 東京大学, 工学部, 教授 (90010719)
俵 博之 名古屋大学, プラズマ研究所, 助教授 (90037797)
堀野 裕治 名古屋大学, 工学部, 助手 (10190258)
松波 紀明 名古屋大学, 工学部, 講師 (70109304)
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Keywords | プラズマ・壁相互作用 / 単原子層不純物のスパッタリング / 反跳注入 / 希ガスイオンの捕捉 / 希ガスイオンの再放出 / 水素の再結合係数 / 照数下における捕捉水素の飽和濃度 / グラファイト |
Research Abstract |
本年度は主要設備である低エネルギーイオン源を設置し、その性能試験および性能向上を行った。これと平行して既設イオン源を用いて、グラファイト表面におけるReV希がスイオンの捕捉と再放出、グラファイト表面上のクロムのスパッタリングおよびグラファイト表面上のNi膜中における捕捉重水素の濃度分布を調べた。 低エネルギーイオン源の性能試験の結果、【Ar^+】イオンビームの電流密度は10eVにおいて約1μA/【cm^2】であった。また【Cu^+】イオンビームの電流密度は10eVにおいて約0.1μA/【cm^2】であった。これらの電流密度は本研究の遂行可能なイオン強度であるが、実験時間の短縮化のため今後更に性能向上を試みる。 グラファイトにイオン注入した希ガス原子の捕捉量とその後の加熱による再放出量の測定から、活性化エネルギーの異なる2種類の捕獲座に捕捉されることが判明した。 グラファイト表面上の付着クロムのスパッタリングの実験結果から、グラファイト表面上の金属原子は、その表面濃度が一原子層以下の時、再スパッタされ難いことが判明した。これはイオンにより金属原子が表面から反跳注入されることになる。今後は付着量が大きい場合について自己スパッタ収率を低エネルギーイオン源を用いて測定することが重要である。グラファイト表面上のNi膜中のイオン注入重水素の照射下における飽和濃度の深さ分布を決定し、その表面濃度からNi膜表面における重水素の再結合係数を評価した。今回の評価では照射中のNi膜内に存在する重水素は全て動き得ると仮定したが、厳密な評価を行うためには捕獲座に捕捉され動き得ない重水素量を決定することが必要である。今後は同様の実験を上述の低エネルギーイオン源を用いて行う。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 森田健治: Proc.of Surface Modifications and Coating ed.by R.D.Sisson. 383-389 (1986)
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[Publications] 森田健治: Nuclear Instruments and Methods. B13. 457-461 (1986)
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[Publications] 森田健治: Nuclear Instruments and Methods. B18. 407-410 (1987)
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[Publications] 祐延悟: Journal of Nuclear Materials. 147. (1987)
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[Publications] 長谷部裕治: Journal of Nuclear Materials.
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[Publications] 近藤憲二: Nuclear Instruments and Methods.