1986 Fiscal Year Annual Research Report
中性子照射下におけるブランケット候補材からのトリチウム生産量の連続測定
Project/Area Number |
61055001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
市川 和彦 北海道大学, 理学部, 助教授 (90000843)
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Keywords | 核融合炉のブランケット材 / 熱中性子束 / 熱中性子照射 / トリチウム生成 / トリチウム生成量の連続測定 / 誘導放射能化 / Al製構造材料 / ヘリウムスイープガス |
Research Abstract |
核融合炉のブランケット材の役割には、燃料トリチウムの生産及びD-T反応によって生産されるエネルギーの熱蓄積と冷却材への熱伝達がある。 これまでの研究成果としては、(1)ブランケット候補材β-LiAl合金、【Li_2】Be【F_4】イオン化合物及びLi-Pb合金への熱中性子照射とトリチウム【^3H】生産量の決定。 (2)Li-Pb合金材の熱的性質の測定であった。 他方、各段階を踏んだ炉設計に必要な資料は、照射下・高温下で【^3H】生成・放出・回収のin-situに行った実験データである。 本実験は、武蔵工大・原子炉を用いて、予備実験段階であるが照射室内で行われた。 当施設使用にあたって、問題点(1)中性子束は3X【10^8】n/【cm^2】sec(金箔放射化法でNaI(Tl)検出器を用いて決定):今までの照射溝の場合の約千分の一に減少、(2)【^3H】測定器への放射能雑音、(3)装置の誘導放射能化、(4)【^3H】の回収率低下が起こる。 (3)の防止の為、反応セル、Heスイープガス用と【^3H】回収用の両管の構造材料をAl製にした。 赤外イメーヂ炉を用いて、反応セルに直接中性子照射可能になった。 【^3H】検出機器としてトリチウムガスモニタ(Aloka)を用い、記録計によって【^3H】生成量の連続測定を行った。 Al製U字型反応セル内の【Li_2】Be【F_4】への熱中性子照射は、照射室内でのこの種の実験は最初の為、段階を踏んだ実験手順で行う様要請された。即ち、100KWの通常原子炉運転時間は限定され、10KW:20分,50KW:20分,100KW:15分運転。 みかけの【^3H】成生量は、それぞれ2.5,4.5,7.0,pCiであった。 但し、(2)の問題点があり、原子炉の出力の大きさに測定量は影響されていた。 100KW運転時のみに観測された、周期的に現われる小ピーク群が【^3H】生成量(1pCi以下)の可能性が考えられる。 今後の実験には、熱中性子束は【10^(11)】n/【cm^2】sec以上であって、【^3H】測定機器は熱中性子被照射装置に極めてそばにありながら、(2)の問題点を解決する必要がある。
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[Publications] 市川和彦: 「核融合炉ブランケットシステムでのトリチウム生成と回収」に関する短期研究会報告書(東京大学工学部原子力工学研究施設). 0183UTNL-R No.64-67 (1985)
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[Publications] 市川和彦,亀田恭男,堀内則量,恒川沮吉,河村和孝: 武蔵工業大学原子炉等共同利用研究成果報告書. 10. 120-122 (1985)
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[Publications] 市川和彦,亀田恭男,高橋亮人: 1985年度OKTAVIAN利用研究成果報告(大阪大学工学部).
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[Publications] 市川和彦,亀田恭男,堀内則量: エネルギー特別研究(核融合-ブランケット工学関連研究課題-)研究会報告集.
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[Publications] 市川和彦,亀田恭男,堀内則量: 武蔵工業大学原子炉等共同利用研究成果報告書.