1986 Fiscal Year Annual Research Report
14MeV中性子による二次荷電粒子の放射化反応の実験的研究
Project/Area Number |
61055011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中沢 正治 東大, 工学部, 助教授 (00010976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 哲夫 東京大学, 工学部, 助手 (60134483)
持木 幸一 東京大学, 工学部, 助手 (80107549)
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Keywords | 14MeV中性子 / 二次荷電粒子 / リシウム / (p,n)反応 / ベリリウム-7 / 共役放射化法 / N-16 / Al-27 |
Research Abstract |
(1)リシウム化合物に14MeV中性子が入射した場合、(n,p)反応により二次荷電粒子としての高エネルギー陽子が発生する。この陽子がLi-7原子核と反応し(P,n)反応によりBe-7(半減期53.4日,放出ガンマ線エネルギー480KeVの放射性同位元素)が発生し、2段階の核反応を経て放射化を生じることになる。この二段階放射化プロセスにつき、LiHLiD,【Li_2】【CO_3】などの化合物につき、14MeV中性子に対する実効断面積を測面した。LiHに対し約0.1ミリバーン、又単位グラム当りの放射化の比は1:0.27:0.018であった。 (2)上記研究の一環として、ヴァンデグラフ加速器により陽子を1.88〜3MeVまで加速し、LiFターゲットにあて(P,n)反応を生じさせ、ターゲット中に生成するBe-7の放射化量を測定した。その結果、この生成Be7量と中性子発生総量の間に比例性が観測され、このBe7の放射能を中性子発生量モニターとして使用できることが分った。これを共役放射化法と名付けて学会等に報告し、実用化した。 (3)リシウム化合物以外に、14MeV中性子照射による二次的放射化反応を生ずる可能性のある核種について調査した。その結果、Ti49(p,n)V49(半減期320日),V51(P,n)Cr51(半減期27日),F19(α,n)Na22(半減期2.6年)などが重要核種となった。これらに対し、単一元素として実効断面積を評価すると、それぞれ0.08,0.035,0.24マイクロバーンとなった。これらの値は化合物になると増加する可能性がある。 (4)その他、特殊な放射化生成核反応として(n,t)反応の生ずる核種につき調査し、窒素(N-16),アルミニウム(Al-27)およびCo,Fe,Cu,Znなどがとり上げられた。
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