1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61060001
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
水島 昭二 名古屋大学, 農学部, 教授 (50013313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松山 伸一 東京大学, 応用微生物研究所, 助手
内田 欣哉 東京大学, 応用微生物研究所, 助手 (60013330)
山田 寿美 名古屋大学, 農学部, 教務員 (30089859)
市原 茂幸 名古屋大学, 農学学部, 助手 (30092993)
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Keywords | タンパク質の膜透過 / タンパク質の分泌 / タンパク質膜透過のin vitro系 / タンパク質膜透過のエネルギー要求性 / バイオエナジエティックス / SecAタンパク質 / シグナルペプチド |
Research Abstract |
1.大腸菌細胞質膜の反転小胞を開いたin vitro膜透過系の改良を次の二つの方法で行った. 第一は切断されないシグナルペプチドをもつタンパク質を基質として用いることであり, 第二は膜小胞をさらに分画精製することである. いずれの場合も100%近い効率で膜透過を観察することに成功した. 2.高効率なin vitro系を用いて系き純化を試みた. その結果, 精製膜小胞と抗体カラムで精製された前駆型タンパク質の他ATPと電子供与体があれば, かなりの効率で膜透過が起こることが明らかになった. Wieknerらによって報告されているトリガー因子もこの系では不必要なことも分かった. 3.膜透過のエネルギー要求性についても改良されたin vitro系を用いて調べられた. PTAが必須の成分であること, 電子供与呼吸基質が透過活性を大巾に促進させることが明確に示された. 4.膜におけるプロトンの電気化学的ポテンシャルエネルギーの関与は, さらに次の実験からも明確に示された. すなわち, 膜小胞を尿素処理してF_1を除去すると透過活性は失われる. しかし, DCCDや精製F1を用いてF_0-H^+チャンネルをふさぐと, 透過活性は回復する. 5.in vitro系を用いて膜内分泌因子であるSecAタンパク質の機能解析を始めた. 野性株, SecA温度感受性株より得られる膜小胞でのタンパク質膜透過が温度感受性を異にすることを明らかにした. 6.シグナルペプチドの機能をin vitro系を用いて解析した. N末端近傍の正電荷をなくすとタンパク質の膜への結合が起こらなくなること, 中央の疎水領域に親水基を導入すると結合は起こるが膜透過は起こらなくなるこを明らかにし, それぞれの領域の機能を考察した. 7.海水ビブリオよりタンパク質分泌変異株を多数取得し, 遺伝学的, 生化学的諸性質を明らかにした.
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[Publications] Yamane, K., Ichihara, S., and Mizushima, S.: J. Biol. Chem.262. 2358-2362 (1987)
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[Publications] Suzuki, T., Itoh, A., Ichihara, S., and Mizushima, S.: J. Bacteriol.169. 2523-2528 (1987)
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[Publications] Matsuyama, S., and Mizushima, S.: J. Mol. Biol.195. 847-853 (1987)
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[Publications] Aiba, H., Matsuyama, S., Mizuno, T., and Mizushima, S.,: J. Bacteriol.169. 3007-3012 (1987)
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[Publications] Choi, D.-S., Yamada, H., Mizuno, T., and Mizushima, S.: J. Biochem.102. 975-983 (1987)
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[Publications] Mizuno, T., Kato, M., Jo, Y.-L., and Mizushima, S.: J. Biol. Chem.263. (1988)
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[Publications] Shoji Mizushima: "細胞工学 別冊2" 東京化学同人, 12 (1987)
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[Publications] Ichihara shigeyuki and Shoji Mizushima: "現代化学 増刊10" 東京化学同人, 17 (1987)