1989 Fiscal Year Annual Research Report
近世日本の歴史人口学的総合研究ー宗門改帳の分析とデータベース化
Project/Area Number |
61065008
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
速水 融 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (40051164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蓑谷 千凰彦 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (90051573)
高橋 潤二郎 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (30051410)
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Keywords | 伝戸時代 / 歴史人口学 / 宗門改帳 / データベース |
Research Abstract |
1)史料調査 当初予定していた調査対象地域のうち、史料のマイクロフィルム撮影が可能になった、兵庫県高砂市教育センター所蔵の、旧播磨国加古郡高砂の宗門改帳調査に全力を注いだ。高砂を形成する29の町のうち、26の町の史料が残存して居り、天保2年以降、明治4年までの幕末維新期の港町の歴史人口学的研究を可能にしてくれる。本年度は、残存史料の約3分の2にあたる19の町の史料の撮影を完了した。 2)基礎シート作成 当時予定していた福島県、岐阜県に含まれる既収集史料の整理、基礎シート作成を行い、奥州郡山を中心とする地域、美濃平坦部を対象とする地域の研究を実現させる準備を整えた。また、兵庫県に替って、京都、奈良の町方の史料整理、基礎シート作成を完了した。 3)機械読み取りフォーム作成 奥州郡山(上町・下町)および周辺農村(日出山村、下守屋村、仁井田村、笹原村)の基礎シートから、家族および個人を単位としたフォーム3種類を作成し、現時点で郡山下町の一部を残してほぼ完了した。延総人口は4万人以上、シート枚数は約10万枚に達している。 4)プログラム開発 上記のフォームをコンピュータにファイルし、人口学的分析を行うには、プログラムが必要である。これらを外注し、SEと協力しつつ開発を進めた結果、ファイル用のプログラムは完成したが、分析プログラムを作成する前に、中間ファイルの作成が必要であることが分り、現在その完成を急いでいる。 5)単年度の史料が、広い地域にわたって残存している例があり、貴重な情報を提供してくれる。すでに武蔵多摩郡、飛騨、石見の3カ所について史料を収集した。今年度は、武蔵多摩地方の約30カ村について、基礎整理シートの作成を進めた。
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[Publications] 速水融(ローレルコーネルと共著): "宗門改帳ー日本の人口記録" 速水融他編『徳川社会からの展望』同文舘、所収. 101-126 (1989)
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[Publications] 速水融,鬼頭宏: "庶民の歴史民勢学" 新保博・斎藤修編『近代成長の胎動 日本経済史2』岩波書店所収. 267-321 (1989)
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[Publications] 速水融: "近世都市の歴史人口学的観察 奈良東向北町:寛政5年ー明治5年" 三田学会雑誌. 82特別号. (1990)