1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61103001
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
和田 八三久 山形大, 工学部, 教授 (20010621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松重 和美 九州大学, 工学部, 助教授 (80091362)
小林 雅通 大阪大学, 理学部, 教授 (40028147)
宮地 英紀 京都大学, 理学部, 助教授 (90025388)
古川 猛夫 理化学研究所, 研究員 (90087411)
田中 啓司 北海道大学, 工学部, 助教授 (20002313)
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Keywords | 圧電薄膜 / 焦電薄膜 / 強誘電性高分子 / 相転移 / ポリフッ化ビニリデン / フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン共重合体 / 空間電荷 / 強誘電体メモリー |
Research Abstract |
本年度は本特定研究の最後の年に当り、各分担研究者はそれぞれの研究課題のまとめを行った。 和田は昨年度に引きつづき、フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン共重合体(以下単に共重合体と略す)について強誘電的分極反転に及ぼす空間電荷の効果を、ヨウ素ドープした試料を用いて定量的に研究し、空間電荷の作る内部電場について考察した。また共重合体及びシアン化ビニリデン-酢酸ビニル共重合体について、それらの二次あるいは三次誘電率の温度変化を詳しく測定し、前者についてその符号から相転移の次数が求められることを示した。田中はポリフッ化ビニリデン(PVDF)の持つ強い焦電性を利用して、焦電型光熱分光法と名づけられた新しい光吸収スペクトル測定法を開発した。古川は和田と同様に共重合体およびシアン化ビニリデン-酢酸ビニル共重合体についてその非線型誘電率の周波数変化を研究し、また共重合体の薄膜の分極反転を利用して強誘電体メモリーを作り、書き換え可能の光メモリーの実現の可能性を示した。 宮地は共重合体における分極反転をX線異常散乱を用いて直接検証したが、本年はその反転過程の時間的変化を測定し、60゜回転の速さを求めた。小林はPVDFおよび共重合体のKBr上への真空蒸着膜についてその赤外吸収の温度変化を測定し、蒸着薄膜の相転移をバルク試料のそれと比較検討した。松重は共重合体についてその強誘電相転移に対する圧力効果、分率効果を研究し、異常光起電力効果について新しい知見を得た。 以上をまとめると、本年度は代表的な圧電・焦電性高分子であるPVDFおよび共重合体について、その強誘電的挙動が詳細に研究され、またその多方面への新しい応用開発が展開された。またフッ素系高分子以外の圧電性高分子の研究も行われた。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] M.Jimbo: Journal of Polymer Science,Polymer Physics Edition. 24. 909-921 (1986)
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[Publications] S.Ikeda: Polymer Journal. 19. (1987)
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[Publications] K.Tanaka: Reports on Progress in Polymer Physics in Japan. 29. 367-370 (1986)
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[Publications] T.Furukawa: Japanese Journal of Applied physics. 25. 1178-1182 (1986)
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[Publications] Y.Takahashi: Journal of Polymer Science,Polymer Letter. (1987)
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[Publications] K.Tashiro: Reports on Progress in Polymer Physics in Japan. 29. 169-171 (1986)
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[Publications] K.Tashiro: Reports on Progress in Polymer Physics in Japan. 29. 293-296 (1986)
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[Publications] T.Horiuchi: Japanese Journal of Applied Physics. 25. L465-467 (1986)
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[Publications] H.Okabe: Japanese Journal of Applied Physics. 25. 64-66 (1986)