1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61103006
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
斎藤 省吾 九大, 国立大学(その他), 教授 (80136548)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 昌士 九州大, 学生産科学研究所, 教授 (40038576)
入江 正浩 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (30001986)
小門 宏 東京工業大学, 工学部, 教授 (40016358)
長谷川 正木 東京大学, 工学部, 教授 (50133103)
三田 達 東京大学, 工学部, 教授 (10013632)
|
Keywords | 光メモリ / ホトクロミズム / エレクトロクロミズム / 有機薄膜 |
Research Abstract |
信頼性の高いホトクロミック分子の設計概念として、電子環状反応の利用という考えを提示した。この方針に沿い、18種のジヒドロピレン誘導体の光反応量子収率を決定して高効率化をもたらす置換基の種類及び置換部位を決定した。同じ設計指針に従い、光情報記憶種の熱安定性にすぐれたものとしてチオフェン環をもつスチルベン誘導体を開発した。ホトクロミック薄膜の設計に関しては、不安定種から安定種にもどる熱反応に対する媒体効果についての知見を蓄積した。すなわち、熱反応性の本質的低下による安定性向上には、LB膜化あるいは結晶化がきわめて有効であること、ガラス状高分子媒体も有効であるが同時に化学反応性の不均一化をひき起すこと、を明らかにした。この新知見を利用して、ホトクロミック分子プローブによる固体高分子の凝集構造の不均一性の解析方法の提案という副次効果をも得た。 エレクトロクロミック薄膜については、ルテシウムフタロシアニン蒸着膜とフッ化鉛固体電解質の組み合せにより、応答時間100msで【10^5】回以上のくり返し寿命をもつデバイスを完成した。フタロシアニンの精製と膜構造制御がこの成果をもたらした。また、ポリ(P-フェニレン)等電解重合薄膜の酸化環元を利用して【10^6】回以上の色調変化を示す薄膜系に到達した。 銅・テトラシアノキノジメタン錯体薄膜における電界誘起スイッチング現象を光メモリ感光体として応用可能であることを示し、多数枚の静電複写用感光体薄膜を完成した。 将来の可能性に結びつく研究としては、実験面では有機電荷移動錯体における可逆的光誘起エレクトロクロミズム及び有機ケイ素化合物におけるホトクロミズムやサーモクロミズム、理論面ではジアセチレン系高分子等で期待できる光誘起相転移の理論を完成した。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] TETSUO TSUTSUI: Chemical Physics Letters. 132. 563-566 (1986)
-
[Publications] TAKEHIKO YAMATO: Journal of Organic Chemistry. 51. 2214-2220 (1986)
-
[Publications] MASAHIRO IRIE: Macromolecules. 19. 2480-2484 (1986)
-
[Publications] EIICHI HANAMURA: Solid State Communications. 62. 5-8 (1987)
-
[Publications] YUTAKA IWASAKI: Chem.Exp.1. 196-204 (1986)
-
[Publications] TOSHIHIKO NAGAMURA: Journal of Chemical Society,Chemical Communication. 1986. 810-812 (1986)
-
[Publications] 斎藤省吾: "エレクトロニクス有機材料" 共立出版, 250 (1987)