1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61105004
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
中嶋 貞雄 東海大, 理学部, 教授 (50013446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 義浩 名古屋大学, 理学部, 助教授 (60013504)
恒藤 敏彦 京都大学, 理学部, 教授 (30025275)
芳田 奎 東京理科大学, 理工学部, 教授 (40013445)
福山 秀敏 東京大学, 物性研究所, 教授 (10004441)
立木 昌 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20028111)
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Keywords | 超伝導 / 超伝導理論 / 電子・フォノン相互作用 / 局在と超伝導 / 重いf電子系 / 有機超伝導 / 異方的電子対 |
Research Abstract |
特定研究「新超伝導物質」の目的は、新超伝導物質の開発と超伝導発現機構の解明を並行して推進することであり、本研究班はその理論的指針をさぐり、実験から理論発展の契機をさぐるべく努力してきた。事業の中心は60名近い研究者が合宿する研究会であり、これには本班の分担者のみならず、超伝導に直接、間接の関心を有するわが国の理論家およびテーマに応じて必要な実験家も参加し、わが国に於ける超伝導理論の中枢の役割を果してきた。これによって超伝導理論家のグループがわが国に於て形成され、海外の情報ではなく、自前の情報を中心として研究を推進できる体制となった。これは本特定研究のもたらした大きな成果の1つである。 3年間にわたる研究活動の中心となったテーマは、次の4つである。1.酸化物超伝導体Ba【Pb_(1-χ)】Biχ【O_3】の強い電子。フォノン相互作用-これは本特定研究の最終期に第3班長田中昭二グループの実験によって高温超伝導体であることが確立された【(La-(1-2)Ba-χ)-2】 Cu 【O_4】につながる重要な対象であったが、残念ながら、本理論班は高温伝導体への発展を予言するには至らなかった。2.超伝導と電子局在-わが国の若い理論家が発展させ、実験の解折に大に役立ちつつある。3.重いf電子系の超伝導-近藤効果以来わが国理論家のお家藝であり、国際的潮流に流されることなく、独自の異方的電子対理論を展開した。重い電子の考えは、A15型化合物にも生かし得るとの独創的な指摘もなされたが、実験的検証はこれからである。4.異方的電子対の考えは有機超伝導体にも応用されている。有機超伝導体のような一見複雑な対象も、理論の対象となりつつある。 最後に、La-Ba(Sv)-Cu-OおよびY-Ba-Cu-Oの高温超伝導の理論的研究も、いまや爆発的に発展しつつある。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Nakajima: J.Phys.Soc.Japan. 56. (1987)
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[Publications] S.Takahashi;M.Tachiki: Phys.Rev.B. 35. 145-150 (1987)
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[Publications] H.Fukuyama;Y.Hasegawa: J.Phys.Soc.Japan. 56. (1987)
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[Publications] K.Yamada;K.Okada;K.Yosida;K.Hanzawa: Prog.Thor.Phys. 77. (1987)
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[Publications] M.Tsubota;T.Ohmi;T.Tsuneto: Prog.Thcor.Phys.76. 1222-1236 (1986)
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[Publications] B.Jichu;A.D.S.Nagi;B.Jin;T.Matsuura;Y.Kuroda: Phys.Rev.B. 35. 1692-1699 (1987)