1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
61108001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山内 邦男 東大, 農学部, 教授 (60011821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 厚三 東京大学, 農学部, 助教授 (50011036)
松野 隆一 京都大学, 農学部, 教授 (30032931)
野口 忠 東京大学, 農学部, 助教授 (50011937)
佐々木 隆造 京都大学, 農学部, 助教授 (60077378)
荒井 綜一 東京大学, 農学部, 助教授 (20011934)
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Keywords | 牛乳アレルギー / フェニルケトン尿症 / β-ラクトグロブリン / エリスロポエチン / インスリン様成長因子【I】 / 高度不飽和脂肪酸 / 脂質酸化 / 乳酸菌 |
Research Abstract |
山内(東大農)は牛乳アレルギーの主要原因物質であるβ-ラクトグロブリン(β-LG)に対する数種のモノクローナル抗体を用いて、β-LGの高次構造におけるβ-ストランドA上に1ヵ所、ランダムコイル上に2ヵ所のエピトープを決定した。T細胞によって認識させるエピトープも3ヵ所限局化し、これらの結果に基づいてβ-LGの抗原構造を総合的に考察した。荒井(東大農)は、フェニルケトン尿症用の新しい食事素材として開発した低フェニルアラニンペプチンが、低フェニルアラニンアミノ酸混合物と同様、血中Phe値を即効的に低下させることを示し、ラットの成長、血液性状等の栄養特性においても前者は後者と同等あるいはそれ以上であることを確かめた。佐々木(京大農)は必須アミノ酸を与えた時は血清中のエリスロポエチン濃度はほとんど低下しないし、赤血球形成速度もあまり低下しないが、非必須アミノ酸給与では無蛋白食にした場合と同様、これらの値が著しく減少することをラットを用いて明らかにした。野口(東大農)は食餌蛋白質のアミノ酸組成を変えることによって、インスリンと独立して、インスリンと作用の類似したインスリン様成長因子【I】の血中レベルの制御が可能であることをラットで示した。松野(京大農)はリノール酸メチルをエマルション化して乾燥する際の糖被覆においてアラビアゴムが極めて有効であることを見出し、これを用いた液状油脂粉末化の条件を確立、中村(東大農)はゼラチン分散高度不飽和脂肪酸の酸化実験装置を考案し、ゼラチンカプセルエイコサペンタエン酸の酸化経過を解析した。森田(京大食研)は米蛋白質のエクストルージョンについて検討、小崎(農大)はサワー種からの乳酸菌に対する小麦中の生育因子を検討、向井(九大農)は毛管分析法による発がん物質とDNAの相互作用を観察した。林(京大食研)は高圧下でホエーをプロテアーゼ処理するとβ-LGが選択的に分解することを見出した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] J.Kurisaki: Agric.Biol.Chem.49. 1733-1737 (1985)
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[Publications] S.Kaminogawa: Agric.Biol.Chem.51. 797-802 (1987)
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[Publications] S.Arai: Agric.Biol.Chem.50. 2929-2931 (1986)
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[Publications] A.Maeda: Agric.Biol.Chem.,in press. 51. (1987)
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[Publications] R.Sasaki: Agric.Biol.Chem.49. 2671-2683 (1985)
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[Publications] M.Kadowaki: J.Nutr.Sci.Vitaminol.31. 431-440 (1985)